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展示会で、体験型のブースは何をすればいいですか?
触って試せない商品でも、来場者の方がご自分の悩みに氣づく数分間は作れます

公開日:2026年10月13日
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触って試せない商品でも、来場者の方がご自分の悩みに氣づく数分間は作れます
明るい展示ホールのブースで、来場者2人が冊子とアンケート用紙に記入しながら社員と笑顔で話す場面を背に、アマンディーヌが冊子を抱えて手を差し伸べ迎え入れているところ。体験型ブースは、触れない商品でも作れます

展示会に出るなら、ただ並べるだけでなく、体験してもらえるブースにしたい。そう考えて準備を始めたものの、うちの商品は大きな設備でもなければ、その場で触って試せる物でもない。サービスや仕組みを売っている会社ほど、ここで手が止まります。デモの機械を置けない。試食も配れない。結局、パネルとパンフレットを並べて、去年と同じブースになってしまう。そんなことはありませんか。

「体験型のブースと言われても、うちは何を体験してもらえばいいのでしょうか」

体験してもらうのは、商品そのものでなくてかまいません。来場者の方が「これは自分の現場の話だ」と氣づくまでの数分間を、ブースの中で体験していただく。それが、触って試せない商品を扱う会社にとっての体験型ブースです。見て、読んで、自分で答えるうちに、ご自身の悩みが言葉になる。その流れを作れば、説明を聞かされる場ではなく、来場者の方が自分から話し始める場になります。

以下、体験型ブースで迷いやすい3つの形と、来場者の方の側で起きていること、そして触って試せない商品でも作れる体験の組み立て方までを書きます。

1. 体験型ブースで迷う会社に多い3つの形

どれも、真剣に準備した会社ほど陥りやすい形です。

  1. 体験を「商品に触ること」だと考えている。触れる物が無いと分かった時点で、体験という考え自体をあきらめ、パネルの説明に戻ってしまいます。
  2. 体験を「楽しい催し」だと考えている。くじ引きやゲームで人は集まっても、終わったあとに残るのは景品の記憶で、御社が何を解く会社なのかは残りません。
  3. 体験のあとに何も残していない。せっかく足を止めて楽しんでいただいても、その方が何に困っていたのかを記録しないまま、名刺だけを受け取って会期が終わります。

3つとも、根は同じです。体験の中心に、来場者の方ご自身の悩みが置かれていないのです。

2. 来場者の方は、1日に何社ものブースを歩いています

来場者の方の側から見てみます。アペルザの調査(n=413)では、展示会の来場者は1回の来場で平均17社のブースを訪問し、受け取った資料の94.9%は保管されないという結果が出ています。展示会では、ブースの前で一瞬のうちに印象に残らないと素通りされる、ともよく言われます。

17社を回る方にとって、パネルの説明は、どれも同じように見えます。それぞれの会社が自社の強みを話しているからです。一方で、自分の現場の悩みに触れる話は、何社目であっても耳に残ります。体験型ブースが効くのは、珍しい仕掛けがあるからではなく、来場者の方が「自分の話」として受け取れるからです。

そしてもう1つ、現場でよく見かけることがあります。展示会がリスト集めの場になってしまい、名刺の枚数を目標にしてしまう形です。会期後のテレアポやメールで追いかければ商談になる、と考えがちですが、ブースで何も心が動いていない方は、後からの連絡にもなかなか応えてくださいません。体験は、この「心が動いた瞬間」をブースの中で作るためのものです。

3. 触って試せない商品でも作れる、4つの体験

商品を手に取っていただけなくても、来場者の方に体験していただけることはあります。

  1. 読む体験。来場者の方と同じ立場の人が、同じ悩みに困っている場面を、短い物語にして手渡します。数分で読めて、「うちと同じだ」と思える場面が1つあれば十分です。
  2. 選ぶ体験。物語に描いた悩みと同じ言葉で、アンケートの選択肢を作ります。来場者の方はご自分で印を付けるうちに、自分の悩みが何なのかを言葉にしていきます。
  3. 話す体験。印を付けた悩みを手がかりに、ブースの方が「その場面、御社ではどうされていますか」と聞きます。説明を始めるのは、そのあとです。
  4. 持ち帰る体験。物語の続きや、その悩みが解けた場面を、持ち帰れる形で渡します。会社に戻ってから、上司や同僚に見せられるものにしておきます。

4つは順番につながっています。読んで氣づき、選んで言葉になり、話して深まり、持ち帰って社内に広がる。商品に触れなくても、来場者の方の中では確かに何かが動いています。どのような最初の一言で話を始めるかは、展示会のブースでは何を話しかければいいかに書きました。

4. 倉庫と運送のサービスを、製造業の展示会で体験していただいた例

ここからは、弊社がご一緒した例です。2026年10月のものづくりワールド大阪で、倉庫と運送の誠幸運輸倉庫さまのブースをご一緒しました。倉庫や運送は、その場で手に取って試せないサービスです。しかも来場者の方の多くは、設備や部品を見に来ています。

そこで、誠幸運輸倉庫さまのキャラクターであるセイコちゃんを主人公にしたマンガとアニメで「置き場に困っている」「納期で慌てている」といった現場の場面を描き、アンケートの選択肢にも同じ言葉を使いました。マンガを読んだ方が、ご自分の現場に当てはまる悩みに印を付けていく。その途中で手が止まり、話し始める方が何人もいらっしゃいました。

困りごとに印を付けた29件のうち12件が、見積り・お試し運送・無料保管のご依頼まで進み、3日間のご依頼は15件になりました(数字は実績ページの集計です)。初日の午前はアンケートがなかなか集まらず、毎晩の日報をもとに翌朝の朝礼で配置や声のかけ方を見直し続けた結果です。どの会社でも同じ数字になるとは申し上げませんが、触って試せないサービスでも、体験は作れるという手応えをいただきました。会場で感じたことは触って試せないサービスは、展示会でどう伝えるかにまとめています。

5. 弊社が体験型ブースをお手伝いするときの考え方

弊社は、マンガを1冊作ってお渡しする会社ではありません。マンガは、来場者の方に体験していただくための入口です。大切にしているのは、2つのことです。

  1. マンガ×体験価値。来場者の方が読み、選び、話すうちに、ご自分の悩みに氣づく。そしてブースに立つ社員の皆さまも、物語の中の言葉を自分の言葉で伝えるうちに、自社の強みを語れるようになる。お客さまご自身も、その先のお客さまも、みんなが主体的に動く形を作るので、納得していただけます。
  2. プロジェクトの運用。会期の前に、どの悩みを描き、どの言葉で選択肢を作るかを決める。会期中は、毎日の記録をもとに翌日のブースを直す。会期のあとは、印を付けた悩みの順に追いかけ、その記録を翌年の出展へ持ち越す。前・中・後を、御社の営業の方と一緒に回し続けます。

1回の出展で正解が出るとは限りません。どの悩みに印が多く付き、どの場面で手が止まったかを記録しておけば、2年目はもっと確かな物語と選択肢から始められます。美華道さまとも、関西物流展から鉄道技術展へと出展をまたいでご一緒し、次の出展に向けた準備を続けています。展示会の前・中・後の全体は展示会総まとめにまとめました。

6. 次の出展の前に、社内で決めておく5つ

  1. 来場者の方の悩みを3つに絞る。御社が解ける悩みのうち、来場者の方が多く抱えていそうなものを3つ選びます。
  2. 悩みごとに、場面を1つずつ描く。「誰が・どこで・何に困っているか」が分かる場面にします。
  3. アンケートの選択肢を、場面と同じ言葉にする。読んだ言葉と同じ言葉があると、印を付けやすくなります。
  4. 印を付けたあとの最初の一言を決める。ブースに立つ全員が、同じ問いから話を始められるようにします。
  5. 会期中に毎日見直す時間を取る。その日の記録を読み、翌朝に小さく直す。これだけで3日間の手応えが変わります。

よくあるご質問

Q1. 体験型ブースにするには、大きな小間が必要ですか。

必要ありません。読む・選ぶ・話すの体験は、手渡せる冊子とアンケートの用紙があれば始められます。小さな小間でも、通路から見える位置に悩みの場面を置けば、足を止めた方がそのまま体験に入れます。

Q2. くじ引きやノベルティで人を集めるのは、良くないのでしょうか。

人に足を止めていただくきっかけとしては役に立ちます。ただ、それだけで終わると、来場者の方の記憶に残るのは景品です。景品をお渡しする前に、悩みの場面を読み、選択肢に印を付けていただく流れにすると、集まった方の記録が商談の手がかりになります。

Q3. マンガを読んでいただく時間が、来場者の方にあるでしょうか。

ブースで全部を読んでいただく必要はありません。最初の数コマで「うちと同じだ」と思える場面があれば、続きは持ち帰って読んでいただけます。会期中に短いアニメで同じ場面を流すと、通路を歩く方の目にも留まりやすくなります。

Q4. 初めて展示会に出るのですが、体験型から始めても大丈夫ですか。

大丈夫です。初めての出展こそ、来場者の方がどんな悩みを抱えているかを知る機会になります。印を付けていただいた悩みの記録は、その後の営業や、次の出展の準備にもそのまま使えます。

最後に、ひとつだけうかがわせてください。

前回の展示会で、ブースに立ち寄った方は、御社の何を体験して帰られたでしょうか。パネルを見た、説明を聞いた、パンフレットを受け取った。その中に、来場者の方がご自分の悩みを言葉にした瞬間はありましたか。

もし無かったなら、次の出展で足すべきものは、新しい展示物ではなく、その瞬間です。

すでに出ている費用に、何が返っていますか。

求人サイトの掲載料、展示会の出展料、広告費。どれも、もう払っている費用です。その額に対して何人採れたのか、何件が商談になったのか。御社の数字を入れると、そのまま出ます。会社名もお名前も要りません。

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会期の前・中・後を設計し、来場者の方が自分の悩みに氣づくブースを、翌年の出展まで一緒に運用しています。展示会マンガプロジェクトを見る

御社の次の出展で、来場者の方に何を体験していただくか、一度お話をうかがうこともできます。30分の面談を予約する

体験していただくのは商品でなくてもかまいません。来場者の方が、ご自分の悩みに氣づく数分間です。

2026年10月13日

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