
「パリ、リヨン、マルセイユ、トゥーロン、ボルドー、ストラスブール、ナント。フランスの主な都市は一通り見た。南西部の内陸には、出る場所はないのだろうか」
あります。トゥールーズのTGS(トゥールーズ・ゲーム・ショー)です。しかもこの催しは、秋と初夏の年2回開かれます。2026年の本体は11月28日と29日、春の回は6月13日と14日です。1年に2回の機会があるということは、社内の予定が合わなかった年でも、もう一方の回が残るということです。公式に確認できる事実と、出典のはっきりした記録だけを順に並べます。
1. 本体は2026年11月28日と29日、会場はMEETTです
秋に開かれる本体の概要は次のとおりです。
- 開催日 2026年11月28日(土)と29日(日)
- 会場 MEETT(Parc des Expositions et Centre de Conventions et Congrès de Toulouse Métropole)
- 所在地 Avenue de la Concorde, 31840 Aussonne フランス
- 運営 TGS EVENEMENTS
- 扱う分野 テレビゲーム、SF、マンガ、アニメ、コスプレ、そして日本文化
会場のMEETTはトゥールーズ市街ではなく、北西に隣接するオソンヌにある大型の見本市会場です。トゥールーズは航空機産業の街として知られ、日本の製造業にとっては取引先の並ぶ地域でもあります。催しの来場者と、平日の商談相手が、同じ都市圏にいるという条件は他の地方都市にはあまりありません。
2. 春にも開かれます。6月13日と14日、ラベージのディアゴラです
TGSには春の回があります。2026年はTGSスプリングブレイクとして6月13日と14日、トゥールーズ南東のラベージにあるディアゴラ会議センター(Centre de Congrès Diagora)で開かれます。所在地はRue Pierre-Gilles de Gennes, 31670 Labègeです。
本体とは会場も規模も違います。MEETTが大型の見本市会場であるのに対し、ディアゴラは会議センターです。つまり、いきなり大きな会場に出るのではなく、小さいほうの回で一度試してから秋の本体へ進む、という順番が組める催しです。海外の催しは1回で見切りをつけられがちですが、同じ運営の同じ土地で2回の機会があるのは、続けるための足場になります。
3. 2007年の11,000人から、2023年の70,000人へ
来場者数について、先にお断りしておきます。フランスのマンガ関連の催しは、来場者数の公的な統計がほとんどありません。ここに挙げる数字は、フランス語版ウィキペディアが年ごとにまとめている主催者発表の記録です。第三者が監査した数字ではありませんので、その前提でご覧ください。
- 2007年 11,000人(第1回)
- 2010年 25,000人
- 2013年 44,000人
- 2016年 60,000人
- 2019年 65,000人
- 2022年 70,400人
- 2023年 70,000人
16年で6倍を超えています。同時に、2016年以降はおおむね横ばいで推移していることも分かります。伸び盛りの催しではなく、地域に定着して規模が安定した催しだと読むほうが実情に近いはずです。会場に来る人の数が毎年入れ替わらないということは、去年ブースを出した会社を覚えている人が翌年も来る、ということでもあります。海外の催しは1度の出展では終わらないという話は、こういう場所でこそ効いてきます。
4. 名前が変わっています。白書の「TGS大花見」は今の「TGSスプリングブレイク」です
弊社代表がデジタルコンテンツ白書に執筆したフランス編の一覧(2013年版)には、トゥールーズの催しが「TGS Ohanami・TGS」として載っています。この「オハナミ」は現存しません。2014年にTGSスプリングブレイクへ改称されているためです。
これは細かい話に見えて、実務では大きな差になります。10年前の資料や、翻訳された記事の一覧をそのまま信じて問い合わせると、存在しない名前で連絡することになります。エピタニメでも同じことが起きました。催しの名前と主催団体の名前が、資料の中で入れ替わっていたのです。海外の催しを調べるときは、必ず公式サイトの現在の表記まで降りて確かめてください。
5. 会場が3度変わった催しです
TGSは開催地を動かしてきました。
- 2007年から2011年 ディアゴラ(ラベージ)
- 2012年から2020年 トゥールーズ見本市会場
- 2021年以降 MEETT(オソンヌ)
会議センターで始まり、規模に合わせて2度会場を移しています。春の回がいまディアゴラで開かれているのは、創業の場所へ戻った形でもあります。出展を考える立場からすると、会場が変わるということは、通路の幅も小間の割り方も、搬入の段取りも変わるということです。前回の出展記録をそのまま持ち込めない年がある、と見ておいたほうが安全です。
6. 南西部は、白書が書いた「フランス全土への広がり」の先にあります
白書2013は、パリ中心だったマンガ関連の催しがフランス全土へ広がったことを記録しています。クレルモン・フェランのように、日本の大衆文化がそれほど濃くなかった地域にも催しが生まれたという記述です。トゥールーズはその流れの中で、地方都市としては最大級まで育った例にあたります。
弊社は、フランスのジャパンエキスポ等へ累計11回出展してまいりました。回を重ねて分かったのは、現地で強いのは大きさではないということです。ブースの前で足を止めた人と、その場で何を交わしたか。そこだけが翌年に残ります。ジャパンエキスポの出展料や、リヨンのジャパン・タッチとの比較も、あわせてご覧ください。
よくあるご質問
Q1. 出展料はいくらですか。
2026年分は公開されていません。運営のTGS EVENEMENTSへ直接お問い合わせいただく形になります。フランスの催しは、出展区分と小間の位置で料金が大きく変わり、一覧を公開しないところが多数です。金額が出ていないこと自体は珍しくありません。
Q2. 来場者は何人ですか。
主催者発表の記録では2023年に70,000人です。第三者が監査した数字ではありません。監査済みの数字で判断されたい場合は、ナントのアート・トゥ・プレイのように監査値を公開している催しと並べて比べてください。
Q3. 秋と春、どちらに出るのがよいですか。
初めてなら春です。会場が会議センターで規模が小さく、通路の密度も違います。1度出て、来場者がどの棚の前で足を止めるかを見てから、秋の本体で本命の小間を取る。この順番なら、1回で見切る出展になりません。
Q4. トゥールーズまで行く価値はありますか。
催しだけを目的にするなら、パリのほうが人数は多いです。ただしトゥールーズは航空機産業の集積地です。催しの2日間の前後に、平日の商談を組めるかどうかで価値が変わります。催しを目的地にせず、渡航の口実にする発想のほうが向いています。
Q5. 何を持っていけばよいですか。
テレビゲームとマンガとコスプレが同居する催しです。読ませる冊子だけでは、隣の賑やかなブースに音で負けます。言葉が分からなくても絵だけで筋が追える、手に取って持ち帰れる形を1つご用意ください。翻訳の前に、絵で伝わるかどうかが先です。
最後に、ひとつだけうかがわせてください。
秋と初夏のどちらの回になら、御社は社内の人と日程を押さえられますか。
来年の社内予定表を1枚、ご相談のときにお持ちください。
海外向けマンガの実際の取り組みをご覧いただけます。国際マンガの事例を見る
遠いのは、場所ではありません。遠いのは、社内で日程を決める日です。
参考ブログ
参考実績


