
「求人サイトに毎月お金を払って掲載しています。3か月続けましたが、応募は1件もありません。担当の方からは写真を増やしましょう、原稿を見直しましょうと言われるのですが、正直、求人サイトそのものに意味があるのか分からなくなってきました」
求人サイトに意味がないわけではありません。ただし求人サイトは、いま仕事を探すと決めた方の画面にしか出ない仕組みです。原稿の出来を上げる前に、届いている範囲のほうを先に見てください。
先に、判断の助けになる数字をひとつ置きます。マイナビの2027年卒の調査(有効回答2,800名・2026年3月20日から4月5日)では、地元での就職を希望する学生が58.7パーセントいました。前年より2.3ポイント増えて、4年ぶりの増加です。これは新卒の学生を対象にした調査ですので、中途採用にそのまま当てはめることはできません。ただ、通える範囲で働きたいと考えている方が一定数いることは、ここから読み取れます。
以下、求人サイトで反応が出ないときに何が起きているのかを構造で説明したうえで、原稿を直す以外にどこへ置けるのかを並べます。
1. 求人サイトが届くのは、今日探すと決めた方だけです
求人サイトは、検索されて初めて表示されます。つまり、その方が「転職しよう」と決めて、サイトを開いて、条件を入力したあとに、ようやく御社の名前が候補に並びます。3つの動作が全部そろわないと、1回も表示されません。
ここが、応募が来ない理由のほとんどです。原稿が悪いから選ばれなかったのではなく、選ぶ画面にそもそも立っていません。写真を増やしても、キャッチコピーを変えても、この3つの動作をしていない方には1文字も届きません。
掲載を続けるかどうかを決める前に、1つだけ確かめてください。この3か月で、御社の求人が何回表示されたか。表示回数が二桁でしたら、原稿の話をしても何も動きません。
2. 探していない方のほうが、ずっと多数です
御社から通える範囲に、働ける年齢の方が何人いらっしゃるでしょうか。そのうち、今日の夜に転職サイトを開く方は何人でしょうか。母数と比べると、ごくわずかです。
残りの方々が、御社に向いていないわけではありません。いまの職場に大きな不満がないだけです。ただ、通勤が長い、家族との時間が取りにくい、この先どうなるのか見通しが立たない。そういう小さな引っかかりは持っておられます。きっかけがあれば動く方です。
求人サイトは、この層には構造上届きません。届かない層が多数派である以上、掲載の中だけで勝負しているかぎり、応募の数は増えません。
3. 知られていないのではなく、知る機会がありませんでした
地元の方は、御社を知らないのではありません。知る機会がなかっただけです。ここが、弊社がいちばんお伝えしたいところです。
工場の前を毎日通っていても、中で何が作られているかはご存じありません。看板の社名は目に入っていても、そこで働く人がどんな一日を過ごしているかは、どこにも出ていません。求人サイトに掲載しても、探していない方はその画面を開きませんので、やはり出会いません。
先ほどのマイナビの調査には続きがあります。地元企業を知ったきっかけの1位は「家族や知り合いの勤務先企業の話を聞いたことがある」で44.0パーセントでした。求人広告ではなく、日常の会話です。探している最中ではなく、探していない時間に入っています。
4. 原稿を直すより先に、置き場所を1つ増やします
やることは単純です。求人サイトを止める必要はありません。そこに加えて、探していない方の日常に置ける場所を1つ作ります。
置ける場所は、御社の周りにすでにあります。近隣のお宅のポスト。取引先の休憩室。地域のお店のレジ横。学校の進路指導室。社員のご家族の食卓。どれも、転職を考えていない方が毎日目にしている場所です。
ここで大事なのは、置いたその日に応募が来るとは考えないことです。置いた情報は、その方が動こうと思った日に効きます。求人広告を止めた月に応募が止まるのは、置き場所が掲載の中しかなかったからです。
5. 置くのは条件ではなく、働いている姿です
置くものを間違えると、せっかくの場所が無駄になります。給与、休日数、福利厚生。この3つを大きく書いた紙は、家の食卓に置かれても読まれません。求人票と同じものだからです。
読まれるのは、そこで働いている方の一日です。朝は何時に来て、最初に何をするのか。難しい作業をどうやって覚えたのか。失敗したときに上司が何と言ったのか。子どもの行事で早退したいと言えるのか。これらは求人票の欄には収まりませんし、条件を並べても伝わりません。
この考え方を、実際にポストへ届けるところまで書いたものが求人サイトに応募が来ないとき、一冊のマンガが応募に変わるまでです。あわせてご覧ください。
弊社が採用マンガという形にしているのは、この一日を最後まで読んでいただくためです。文字だけの社員紹介は途中で止まりますが、物語になっていると、ご家族が先に読んで「あんた、ここ良さそうよ」と本人に渡してくださることがあります。渡す相手が増えるほど、探していない方に届きます。
6. 前田機械さまでは、配布から10日で見学のご応募がありました
大阪市港区の前田機械さまは、求人サイトに掲載しても応募が0件という状態でした。同じ状況です。
そこで、働いている方の一日を採用マンガにして、地域へ配布しました。配布から10日で、工場見学のご応募が入り、そのまま採用に至っています。いまは第2弾を継続して運用中です。
ここで申し上げたいのは、マンガが効いたという話ではありません。求人サイトの外に置き場所を作ったこと、そして置いたものが条件ではなく働く姿だったこと。この2つです。何倍になったという書き方をしないのは、0件からの倍率は計算できないからです。
弊社がお引き受けしているのは、1回の制作ではなく、配る前、配っている最中、配ったあとまでを続けて回す運用です。採用マンガプロジェクトとして、配布先の決め方から反応の拾い方までを一緒に組み立てます。
よくあるご質問
Q1. 求人サイトは解約したほうがよいですか。
いいえ。いま探している方には、求人サイトが最短の入口です。解約すると、その方々への入口がなくなります。止めるのではなく、探していない方への入口を1つ足してください。判断は、両方を3か月動かしてから、どちらから何件来たかで決めます。
Q2. 表示回数はどこで確認できますか。
掲載していただいている求人サイトの管理画面に、表示回数と応募数が出ています。担当の方にお尋ねいただければ、その期間の数字を出していただけます。応募が来ない原因が、表示が少ないのか、表示はされているのに選ばれていないのかは、この数字でしか分かりません。
Q3. 配るとしたら、何部くらい必要ですか。
通勤圏を先に決めて、そこから逆算します。車で30分以内とお決めになるなら、その範囲の世帯数が上限です。全部に配る必要はありません。前田機械さまの1回目も、範囲を絞って始めています。部数より、同じ範囲に複数回届くことのほうが効きます。
Q4. 社員の一日を出すことに、本人が抵抗を示さないでしょうか。
顔写真を出す場合はそうなります。マンガにしているのは、そこを避けるためでもあります。実在の方の話を、絵にした人物が語る形にしますので、本人の顔も実名も出しません。取材にご協力いただいた方が、あとから嫌な思いをされないことを先に確かめます。
Q5. 効果が出るまで、どれくらいかかりますか。
前田機械さまは配布から10日でしたが、これは早いほうです。探していない方に届ける以上、その方が動こうと思う日まで待つことになります。半年から1年の幅でお考えください。そのかわり、止めた月に応募が止まることはありません。
最後に、ひとつだけうかがわせてください。
この3か月で、御社の求人は何回表示されたでしょうか。その数字を、いますぐ思い出せますでしょうか。
もし思い出せないようでしたら、そこから一緒に見ます。原稿の直し方の話は、そのあとで構いません。
探していない方の日常に、働く姿を先に置いています。採用マンガプロジェクトを見る
求人サイトに意味がないのではありません。求人サイトだけに置いていることに、無理があります。
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