
「Indeedに求人を載せました。無料の掲載から始めて、途中から費用もかけました。表示はされているようですが、応募は月に1件か2件です。ときどき届いても、面接の前に連絡が途切れます。うちのような小さな会社では、ここで戦っても仕方がないのでしょうか」
仕方がない、ということはありません。応募が来ないのは、掲載の順番や文面の上手下手よりも先に、届く相手が「いま探しておられる方」だけに限られているからです。探しておられない方は、求人の画面をそもそも開いておられません。
以下、求人検索という場所の性質を分けたうえで、公表されている調査と、弊社が実際に伴走した現場の記録を並べます。
1. 求人検索は、すでに動き出した方の中だけで行われています
Indeedは、求職者の方がご自分で言葉を入れて探される場所です。ここに並ぶということは、すでに探しはじめた方の画面に並ぶ、ということです。まだ探しておられない方の画面には、そもそも表示されません。
そして同じ画面には、通勤圏の同業も、全国に名前の通った会社も一緒に並びます。並んだ状態で読まれるのは、勤務地、給与、休日、雇用形態です。条件が横並びになれば、比べられるのは条件です。条件で比べられる勝負は、規模の大きい会社のほうが有利になります。
ですから掲載の工夫は、探しておられる方の中での見え方を動かす仕事です。探しておられない方に知っていただく仕事は、この画面の外で起きます。ここを取り違えると、文面と写真を何度も直す方向にばかり力を使うことになります。ハローワークに出した求人が埋もれるのも、根は同じところにあります。
2. 探しておられない方のほうが、ずっと多くいらっしゃいます
マイナビの2027年卒を対象とした調査では、地元での就職を希望する学生が58.7パーセントでした。前年より2.3ポイント増え、4年ぶりの増加です。調査期間は2026年3月20日から4月5日、回答は2,800名です。
同じ調査で、地元企業を知ったきっかけの1位は「家族や知り合いの勤務先企業の話を聞いたことがある」で44.0パーセントでした。求人媒体ではありません。暮らしの中の会話です。
これは新卒の方を対象とした調査ですので、中途採用にそのまま当てはめることはできません。ただ、地元の会社を知る入口が求人の画面の外にあった、という事実は、そのまま中途の方にも重なります。転職を考えはじめた日に思い出していただくには、考えはじめる前に一度お名前を見ていただいている必要があります。
3. 応募が途切れるのは、会社を知る機会が応募のあとにしかないからです
求人検索の画面では、気になった求人にその場で応募できます。便利な仕組みですが、応募してくださった方の側から見ると、複数の会社へ同時に出していることが多い、とよく言われます。応募の時点では、御社がどんな会社かをほとんどご存じないままです。
ですから、応募のあとに送る案内や電話が、初めて会社を知っていただく機会になります。知らない会社からの連絡は後回しにされます。面接の前に連絡が途切れるのは、熱意の問題ではなく、順番の問題です。
会社を知っていただくのが応募のあとにしかない限り、この途切れは起こり続けます。増やすべきは応募数ではなく、応募より前に知っていただいている方の数です。
4. 探しておられない方の日常へ、先に置いた会社の記録
大阪市港区の前田機械株式会社さまは、求人サイトに出しても応募がゼロでした。そこで、働く姿を描いた採用マンガを地域へ配布しました。配布から10日で工場見学のお申し込みがあり、採用に至っています。現在は第2弾を継続して運用しておられます。
アイケイケイ株式会社さまでは、5名の参加を見込んでいた説明会に28名の方がお越しになりました。見込みと実績の対比であって、前後の比較ではありません。
2社に共通しているのは、探しておられない時期に一度、名前と働く姿を見ていただいていたことです。求人広告を止めた月に応募もゼロに戻るのは、この蓄積が無いまま毎月買い直しているからです。
5. 今日、御社で確かめられる3つのこと
- 直近1年で応募してこられた方に、御社の名前をどこで初めてご覧になったかを聞く。求人媒体以外の答えが1つでもあるか。
- 通勤できる範囲にお住まいの方が、求人票以外で御社の働く姿に触れられる場所が、いま1つでもあるか。
- いま働いておられる方に、この仕事をご友人にどう説明しておられるかを聞く。説明できる言葉があるか。
3つとも空欄でしたら、掲載を有料に切り替えても、同じ月が繰り返されます。順番を変えるのは、求人の画面の中ではなく、その外側です。
よくあるご質問
Q1. Indeedへの掲載は、やめたほうがよいですか。
やめないでください。役割が違います。すでに探しはじめた方に見つけていただける場所は、ここしかありません。ただ、初めて知っていただく役割まで求人検索に背負わせると、知名度の勝負になります。知っていただくのが先、見つけていただくのが求人検索です。
Q2. 有料の掲載に切り替えれば、応募は増えますか。
増えることはあります。ただ、増えるのは探しておられる方の中での露出です。費用を止めた月に元へ戻るのであれば、それは蓄積ではなく、毎月の買い物です。止めても残るものが、別に要ります。
Q3. 求人票の文面や写真を直せば、変わりますか。
探しておられる方の中での見え方は変わります。仕事の途中の場面が写っている写真は、条件だけの求人票より読まれます。ただし、読んでくださる方の数そのものは変わりません。分母は画面の外にあります。
Q4. 小さな会社に、探しておられない方へ届ける手段がありますか。
あります。全国に知られる必要はないからです。通える範囲に絞れば、届ける相手は数えられる人数です。その範囲へ繰り返し届けることは、地域に根を張っておられる会社のほうがむしろ得意です。
Q5. まず何を1つやればよいですか。
直近で応募してこられた方に、御社の名前をどこで初めてご覧になったかを聞いてみてください。求人媒体以外の答えが出てくれば、そこがすでに効いている入口です。全員が求人媒体とお答えになるなら、いまの応募はすべて、その月の掲載で買ったものだということになります。
最後に、ひとつだけうかがわせてください。
いま御社に応募してこられる方は、応募される前に、御社の名前を一度でもご覧になっていたでしょうか。
ほとんど無い、とお感じでしたら、そのことをご相談のときにお聞かせください。求人票の書き方ではなく、求人票を見ていただく前の置き場所から一緒に考えます。
探していない方の日常に、働く姿を先に置いています。採用マンガプロジェクトを見る
地元の方は、御社を知らないのではありません。知る機会が、まだ無かっただけです。
前田機械さまでお作りしたのは、初日に遅刻した新人の話、説明どおりに行かなかった日の話、納期に追われた日の話の3話です。第3話では、失敗を申し出た新人に先輩がこう返します。「ええ判断や。隠すより100倍マシや」。求職者の方が知りたいのは、制度があるかどうかではなく、そのとき自分がどう扱われるかです。不安はひとつではありませんので、物語をつないでお届けします。
御社の場合はどの不安から描くとよいか、ご相談に乗ります。30分ほどお時間をいただければ、その場で1話目の見当までお出しします。相談してみる
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