御社の魅力を、物語にして、世界中にファンを。

パートの募集に応募が来ないのはなぜ?
働ける方がいないのではなく、通える範囲の方に名前が届いていないからです

公開日:2026年9月14日
TOP > ブログ > パートの募集に応募が来ないのはなぜ?
働ける方がいないのではなく、通える範囲の方に名前が届いていないからです
夕暮れの住宅街の路地で、家々の郵便受けのひとつに無地の冊子を差し入れようとして手を止め、こちらを見るアマンディーヌ。パートの応募が来ないのは、働ける方がいないからではなく、通える範囲の方に名前が届いていないから。

「パートの募集を、もう半年出し続けています。時給も近隣に合わせて上げました。それでも応募が一件も来ません。この辺りには、もう働ける方が残っていないのでしょうか」

残っておられます。応募がないのは働ける方がいないからではなく、通える範囲に住んでおられる方の頭の中に、御社の名前が入っていないからです。パートの募集は、相手が最初から「その会社まで通える距離に住んでいる人」に限られます。その狭い範囲で名前が通っているかどうかが、時給よりも先に効きます。

以下、パートの募集が正社員の募集とどこで違うのかを分けたうえで、公表されている調査と、弊社が実際に伴走した現場の記録を並べます。

1. パートの募集は、相手の人数が最初から決まっています

正社員の募集であれば、転居を伴う応募がありえます。県外から来る方もおられます。募集の相手は、理屈のうえでは日本中に広がっています。

パートの募集は違います。通勤時間が、動かせない条件の筆頭に来ます。自転車で十五分、車で二十分。その範囲の外に住んでおられる方は、条件を見る前に候補から外れます。子どもの送り迎えや家族の予定と、勤務時間を組み合わせる必要があるからです。

つまり御社が呼びかけている相手は、日本中の求職者ではありません。半径数キロの中に住んでおられる、限られた人数の方です。この前提を置くと、話がひとつ変わります。限られた人数の中で名前を知られていない会社は、募集を出しても選ばれる場所にすら立てていません。母数が小さいほど、知られていることの比重が上がります。

2. 探しはじめる時期が、予定して来ません

パートを探しはじめる理由は、たいてい会社の都合とは無関係に起こります。

  1. 子どもが小学校に上がり、日中の時間が空いた
  2. 家族の介護が一段落した、あるいは形が変わった
  3. 家計の見通しが変わった
  4. 前の勤め先の勤務時間が変わり、続けられなくなった

どれも、その方の生活の中で急に始まります。そして探す期間は長くありません。求人サイトを開き、勤務地で絞り込み、通えるところを数件見て決める。ここまでが数日で終わります。

この数日の中で、初めて名前を見た会社に応募する判断は、なかなか起きません。何をしている会社かを一から調べるより、名前を知っている会社を先に見るほうが早いからです。募集を出すという行為は、この数日の中で思い出してもらう作業であって、記憶に入れる作業ではありません。記憶に入れる仕事は、その何か月も前に済んでいる必要があります。

3. 時給を上げる方向は、いちばん不利な土俵です

応募が来ないとき、最初に検討されるのは時給です。近隣の相場を調べ、数十円上げる。ここを動かせば応募が増えるはずだ、という考え方は自然です。

ただ、時給は比較される項目です。比較の土俵に上がった瞬間、並ぶ相手は同じ地域の中小企業だけではなくなります。全国に店舗を持つ小売、大手の物流倉庫、名前を知られている飲食チェーン。同じ表の中に、同じ数字として並びます。給料を上げても応募が来ないという現象が起きるのは、上げるほど資本の大きい相手と同じ土俵に乗るからです。

一方で、知られていることは比較されません。「あそこなら知っている」という状態は、他社と並べて優劣をつける対象になりません。中小企業が持てる強みは、比較されない側にあります。

4. 未経験の方がいちばん知りたいのは、時給ではありません

もうひとつ、パートの募集に特有の事情があります。仕事の中身が、外から見て想像できないという問題です。

製造、加工、倉庫、検査。求人票に書かれた職種名を読んでも、未経験の方には、自分がその日に何をするのかが分かりません。分からないまま応募すると、面接で困るのは自分です。だから応募しません。

この方が知りたいのは、次のようなことです。

  1. 重いものを持つのか。立ちっぱなしなのか、座っているのか
  2. 一人で黙々と進めるのか、誰かと組んで進めるのか
  3. 子どもの急な熱で早退するとき、どう言えばよいのか
  4. 覚えることがどのくらいあり、誰が教えてくれるのか
  5. 同じような立場の方が、ほかにおられるのか

これらは条件欄には書かれていません。書こうとしても、箇条書きにした途端に嘘くさくなります。「アットホームな職場です」と書いても、その一行では何も伝わりません。伝わるのは、働いている場面そのものです。

5. 知られ方の中身について、公表されている調査から

マイナビが2027年卒業予定の学生を対象に行った調査(有効回答2,800名、2026年3月20日から4月5日)では、地元で働きたいと答えた学生が58.7パーセントでした。前年より2.3ポイント増え、4年ぶりの増加です。同じ調査で、地元企業を知ったきっかけの第1位は「家族や知り合いの勤務先企業の話を聞いたことがある」で、44.0パーセントでした。

この調査は新卒の大学生・大学院生を対象にしたものですので、パートの募集にそのまま当てはめることはできません。年齢も、探し方も、働く目的も違います。それでも1位の中身は考える材料になります。求人媒体でも、会社のウェブサイトでもなく、日常の会話から知られています。そして日常の会話は、パートを探しておられる方のほうが、むしろ濃くなります。同じ地域に住み、同じ学校に子どもを通わせ、同じ店で買い物をしておられるからです。

地元の方は、御社を知らないのではありません。知る機会が一度もなかっただけです。この違いは大きく、打つ手がまるで変わります。知らないのだと考えると、伝え方を工夫する方向へ進みます。機会がなかったのだと考えると、機会そのものを作る方向へ進みます。

6. 応募がゼロだった会社が、配布から10日で見学の申し込みを受けた記録

弊社が伴走した前田機械株式会社さま(大阪市港区)の記録を、そのままお伝えします。

金属加工の会社さまです。求人サイトに掲載しても応募がゼロという状態が続いていました。掲載内容が悪かったわけではありません。条件も、写真も、同業他社と並べて見劣りするものではありませんでした。

そこで、求人票を直すのではなく、置き場所を変えました。未経験の方がつまずく場面と、そのとき現場でかけられた言葉をマンガにして、周辺地域へ配布しました。結果として、配布から10日で工場見学の申し込みが入り、そのまま採用に至っています。現在は第2弾を継続して運用中です。

正直に申し上げると、この1件だけで方法の優劣は決まりません。募集されていたのはパートではありませんし、地域性も業種もタイミングも重なっています。それでも1つ確かなことがあります。同じ会社が、同じ条件のまま、届け方を変えただけで応募が発生しました。足りなかったのは条件ではなく、知られていることでした。

7. まだ探していない時期に、どこへ置くか

通える範囲に住んでおられる方へ届けるための置き場所は、求人媒体の中ではありません。まだ探していない時期に、その方の生活が通る場所です。

  1. 家のポスト。本人が読まなくても、家族が読んで話題にします
  2. 子どもが持ち帰る紙。保護者は必ず目を通します
  3. 待合室と受付。歯科、理容室、自動車整備工場。滞在時間があり、手持ちぶさたな場所です
  4. 地元の催し。市民祭、商店街の行事、防災の集まり
  5. 取引先や近隣の会社の休憩室。同じ地域で働く方の家族へ、まわっていきます

置き場所を変えるとき、置くものも変わります。求人票は、探している人が読むために作られた書式です。探していない方の手元では、目を通される前に紙として処理されます。地元の人に会社を知ってもらうには、読まれる形のものを置く必要があります。

弊社が採用マンガという形をとっているのは、絵が上手だからではありません。探していない方が、用がなくても最後まで読んでしまう形が、いまのところこれだからです。読み終わったあとに残るのは時給ではなく、その会社で人が働いている場面です。しかもパートの募集では、その場面が「自分にもできそうかどうか」の判断材料そのものになります。

よくあるご質問

Q1. 求人媒体を止めて、配布に切り替えたほうがよいですか。

止めないでください。役割が違います。求人媒体は、いま探しておられる方に見つけてもらうための場所です。配布は、まだ探しておられない方の記憶に入るための手段です。片方だけでは、探しはじめた数日の中で思い出してもらえません。両方が要ります。

Q2. パート募集で、どのくらいの範囲に配ればよいですか。

まず御社の現在のパート従業員の方が、どこから通っておられるかを地図に落としてみてください。実際に通える範囲は、想像より狭いことがほとんどです。その範囲を確かめてから配る先を決めると、無駄が出ません。範囲を広げるより、同じ範囲へ繰り返し届けるほうが効きます。

Q3. 実際より楽しそうに見せたほうが、応募は増えませんか。

お勧めしません。入る前に見た姿と、入ってから見た姿の差が、辞める理由のいちばん大きな部分です。パートは正社員より辞めることの心理的な負担が軽く、差が出た時点で静かに離れていかれます。地味な作業がある職場なら、地味な作業を描いたほうが、残る方が残ります。

Q4. 何をしているか分からない、という問題は写真では解決しませんか。

一部は解決します。ただ写真は、その一瞬しか写りません。未経験の方が知りたいのは、朝来てから帰るまでの流れと、困ったときに誰へ聞くのかという関係のほうです。順番と関係は、写真より物語の形のほうが伝わります。

Q5. まず何を1つやればよいですか。

いま働いておられるパートの方に、「この仕事のことを、ご家族にどう説明しておられますか」と聞いてみてください。その言葉が、いちばん近い相手へ届いた実例です。説明できる言葉をお持ちでない場合、地域の方が知る機会は、いまのところどこにもありません。そこが出発点になります。

最後に、ひとつだけうかがわせてください。

御社から自転車で十五分の場所に住んでおられる方が、御社の名前を聞いたとして、何をしている会社か答えられるでしょうか。

答えられないとお感じでしたら、そのことをご相談のときにお聞かせください。募集の書き方を変える話ではなく、機会を作る話から始めます。

すでに出ている費用に、何が返っていますか。

求人サイトの掲載料、展示会の出展料、広告費。どれも、もう払っている費用です。その額に対して何人採れたのか、何件が商談になったのか。御社の数字を入れると、そのまま出ます。会社名もお名前も要りません。

投資対効果を試算する

探していない方の日常に、働く姿を先に置いています。採用マンガプロジェクトを見る

パートの応募が来ないのは、働ける方がいないからではありません。探しはじめた数日の中に、御社の名前がなかったからです。

前田機械さまでお作りしたのは、初日に遅刻した新人の話、説明どおりに行かなかった日の話、納期に追われた日の話の3話です。第3話では、失敗を申し出た新人に先輩がこう返します。「ええ判断や。隠すより100倍マシや」。求職者の方が知りたいのは、制度があるかどうかではなく、そのとき自分がどう扱われるかです。不安はひとつではありませんので、物語をつないでお届けします。

御社の場合はどの不安から描くとよいか、ご相談に乗ります。30分ほどお時間をいただければ、その場で1話目の見当までお出しします。相談してみる

参考ブログ

地元の人に会社を知ってもらうには地元の人に会社を知ってもらうには?求人票より先に、暮らしの中へ置く機会を作るとは、どこに置くことかの話です。記事を読む →

参考実績

maeda machine求人サイトで応募ゼロから、配布10日で見学の申し込み|前田機械株式会社さま条件ではなく、置き場所を変えた現場の記録です。実績を見る →

2026年9月14日

この話題についてもっと知りたい方へ

30分のZOOM診断で、御社の課題と解決方針をお伝えします。

今すぐ無料!作戦会議を予約する
← ブログ一覧へ戻る

PAGE TOP

お問い合わせ

まずは質問だけでも構いません。

取材・提携・お見積りなど、面談のご予約以外のご用件はこちらへどうぞ。お電話は 06-6121-6062 でも承ります。

ご入力内容はプライバシーポリシーに沿って取り扱います。