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機械加工の求人に、未経験の応募が来ないのはなぜですか?
図面と刃物を前にした初日の不安に、入る前に答えます

公開日:2026年10月28日
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図面と刃物を前にした初日の不安に、入る前に答えます
機械加工の求人に、未経験の応募が来ないのはなぜか。郵便受けから届いた紙を手に顔を上げるアマンディーヌ

求人票には「未経験歓迎」「先輩が丁寧に教えます」と書いた。給与も地域の相場に合わせた。それでも、旋盤やマシニングの募集に、経験の無い方からの応募が来ない。たまに来るのは経験者ばかりで、条件が合わずに大きな会社へ流れていく。工場長と「若い人は、ものづくりに興味が無いんやろか」と話しながら、次の募集の文面を、また少しだけ書き換える。そんな季節を、何度か繰り返しておられませんか。

「機械加工の求人に、未経験の方の応募が来ないのはなぜですか」

未経験の方が踏み出せないのは、ものづくりに興味が無いからでも、条件が足りないからでもなく、入った初日に自分の身に何が起きるのかが、まったく見えないからです。「丁寧に教えます」は、どの会社の求人票にも書いてあるので、不安を消してくれません。図面が読めなかったとき、寸法を外したとき、先輩にどう言われるのか。その場面を、入る前に見せておくことです。そして、その場面を、まだ求人を探していない地元の方の目にも届けることです。

以下、未経験の方が機械加工の求人を前に思い浮かべる不安、決まり文句では不安が消えない理由、不安に場面で答えた会社の例、届ける先、1回で終わらせない続け方、明日からできる3つ、の順に書きます。

1. 未経験の方が、機械加工の求人を前に思い浮かべる5つの不安

異業種から移ろうとしている方、学校を出てまだ道を決めていない方が、機械加工の求人を見て頭に浮かべるのは、だいたい次の5つです。

  1. 図面が読めない。記号も公差も分からないまま、機械の前に立たされたらどうしよう。
  2. 刃物と回転する機械が怖い。けがをしないか、自分が何かを壊さないか。
  3. 寸法を外して、高い材料を1つ駄目にしたら、どれだけ怒られるのか。
  4. 職人の世界なので、見て覚えろと言われ、聞いたら嫌な顔をされるのではないか。
  5. 納期が迫ったとき、慣れない自分だけが置いていかれるのではないか。

どれも、求人票の給与や休日の欄には答えが書いてありません。そして、この5つのどれか1つでも残っていると、応募ボタンの手前で手が止まります。

2. 「未経験歓迎」「丁寧に指導」では、なぜ不安が消えないのか

求人サイトで機械加工の募集を並べてみると、「未経験歓迎」「先輩が丁寧に教えます」「アットホームな職場です」が、ほとんどの会社に書いてあります。同じ言葉が並んでいると、読む側はその言葉を信じる材料にできません。どの会社も同じことを言っているなら、違いは給与と立地だけ、という読み方になります。そうなると、条件で大きな会社に勝つのは難しくなります。

もう1つの理由は、求人票が良い日のことしか書かないことです。未経験の方が本当に知りたいのは、うまくいかなかった日に何が起きるかです。初めて寸法を外した日、先輩はどんな顔をして、何と言ったのか。そこが書かれていない限り、「丁寧に教えます」は、読む方の頭の中で一番怖い場面に置き換えられてしまいます。入る前にその場面を見ていないことが、入ってからのすれ違いにもつながる話は、採用のミスマッチは、どうすれば防げますかにも書きました。

3. 不安には、場面で答えます

大阪市港区で大型金属の精密切削加工をしておられる前田機械さまは、求人サイトに出しても応募がゼロのところから、採用マンガのプロジェクトを始められました。マンガは最初から、未経験の方の不安に先に答える形で組まれています。表紙の帯は「異業種・未経験歓迎!」。誰に読んでいただく紙なのかが、1行目で決まっています。

  1. 第1話「遅刻!でも…なんか優しい」 初日に遅れてきた新人に、先輩は「まあ来たんやからええわ」。工具の場所を聞かれて「左の棚、3段目やで」。見て覚えろ、ではなく、聞けば答えてもらえる職場だと分かります。
  2. 第2話「できない…でも諦めない!」 「説明と全然ちがう…」という戸惑いから始まり、先輩が「一緒に考えようや」で受けます。思っていたのと違うことが起きても、一人で抱えなくてよいと分かります。
  3. 第3話「納期って…こんなにプレッシャーなの!?」 失敗を申し出た新人に、「ええ判断や。隠すより100倍マシや」。外したことを正直に言えば、責められるのではなく評価されると分かります。

3話とも、良い日ではなく、うまくいかなかった日を描いています。だから読んだ方は「ここなら、できなくても大丈夫かもしれない」と、自分の初日を思い浮かべることができます。不安が消えたところで、はじめて、ものづくりの面白さや、自分の削った部品が大きな機械の一部になる手応え、つまり働き甲斐が届きます。

4. 届ける先は、いま求人を探している方だけではありません

地元の人は、御社を知らないのではありません。知る機会がなかったのです。求人サイトは、いま仕事を探している方にしか届きません。機械加工の仕事に向いている方の多くは、まだ探してもいないうちに、近所の工場の名前を一度も聞かないまま、別の道を選んでいます。

参考になる数字があります。マイナビの2027年卒の学生を対象とした調査(回答2,800名・2026年3月20日から4月5日)では、地元(Uターンを含む)で働きたいと答えた学生が58.7%で、前年より2.3ポイント増え、4年ぶりに増加しました。同じ調査で、将来地元で働きたいと考えている学生が、高校生までに地元の企業を知った機会として最も多く挙げたのは「家族や知り合いの勤務先企業の話を聞いたことがある」で、44.0%でした。新卒の学生の調査なので、中途の方にそのまま当てはまるわけではありません。それでも、地元の会社を知るきっかけが、求人広告より先に、日々の暮らしの中の話にあることは読み取れます。

前田機械さまは、採用マンガをポスティングのチラシとして地域のご家庭へ配り、ハローワークにも置きました。配布から10日で見学の応募が入り、採用につながりました。探していなかった方の日常に、先に御社の場面が置かれたからです。

5. 1話で終わらせず、続けて届けます

不安は1つではありません。図面の不安が消えた方にも、刃物の不安、納期の不安が残っています。だから1枚配って終わりにせず、物語をつないで、何年かかけて届け続けます。前田機械さまも、いま第2弾を継続して運用しておられます。

弊社は、このプロジェクトを、前・中・後の3つに分けて回しています。

  1. 前 社員の方と一緒に、未経験の新人が実際につまずいた場面と、そのとき先輩が何と言ったかを拾います。社員の方ご自身の言葉なので、マンガになったとき、社内の誰もが「うちの話だ」と言えます。
  2. 中 その場面をマンガにして、地域の暮らしの中へ配ります。見学に来られた方には、マンガと同じ場面の話を、その先輩ご本人からしていただきます。紙で読んだことを、工場で確かめられるので、納得が深まります。
  3. 後 入社された方に、入る前に何が不安だったかをうかがい、その声で次の話を作ります。入った方が次の話の登場人物になり、社員の方が自分たちの職場を語る側に回ります。

社員の方も、これから入る方も、一緒に物語を作る側に回る。だから、読む方にも実感が湧き、入ってからも話が続きます。私たちは、作って納めるところで終わらず、この前・中・後を、御社と一緒に1年、2年と回し続けるプロジェクト運用者として関わっています。

6. 明日からできる3つ

  1. この3年で入った方に、「入る前に何が一番不安だったか」を1人1つずつ聞いて、紙に書き出す。
  2. その不安が本当に起きた日に、先輩が何と言ったかを、言葉のまま書き添える。求人票の「丁寧に指導」を、その一言に置き換えてみる。
  3. 工場から歩いて行ける範囲で、その場面を目にしてもらえる場所を3つ挙げる。駅、学校、ご近所の集合ポスト、地域の行事などです。

よくあるご質問

Q1. 機械加工の求人で、未経験の方の応募を増やすには、給与を上げるしかありませんか。

給与は大切ですが、条件を上げても、大きな会社との比べ合いになるだけで終わりがちです。未経験の方が踏み出せない理由は、入ってからの不安が見えないことにあります。うまくいかなかった日に何が起きるかを、入る前に場面で見せるほうが先です。

Q2. 職人の厳しさを見せると、かえって応募が減りませんか。

厳しさを隠して入っていただくと、入ってから驚かれて続きません。見せるのは厳しさそのものではなく、厳しい場面で、職場がどう受け止めるかです。前田機械さまのマンガも、失敗の場面と、そのときの先輩の一言をそのまま描いています。

Q3. 求人サイトをやめて、チラシだけにすべきですか。

やめる必要はありません。求人サイトは、いま探している方への入口です。そこに加えて、まだ探していない地元の方が御社を知る機会を作ります。前田機械さまも、地域への配布とハローワークを両方使われました。

Q4. 1回配れば、応募は来ますか。

1回で来ることもありますが、それを前提にしないほうが確かです。不安は複数あるので、話をつないで続けて届けるほど、地元の方の中で御社の名前が育っていきます。

最後に、ひとつだけうかがわせてください。

御社に入った新人の方が、初めて寸法を外した日、先輩は何と言いましたか。

その一言が、いまの求人票のどこにも書かれていないなら、未経験の方には、まだ御社の一番いいところが届いていません。

社員の方と一緒に不安の場面を拾い、マンガにして地域の暮らしの中へ届け、入った方の声で次の話を作る。その前・中・後を、何年も続けて回していくところまで運用しています。採用マンガプロジェクトを見る

いまの求人票をお持ちいただければ、「丁寧に指導します」を、御社の先輩の一言に置き換えるところから、一緒に始めます。30分の面談を予約する

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求人サイトで応募ゼロだった鉄工所の話求人サイトで応募ゼロだった鉄工所が、応募を獲得した話前田機械さまの採用マンガプロジェクトです。記事を読む →

機械加工の求人に未経験の方が来ないのは、初日に何が起きるかが見えないからです。「丁寧に教えます」を、うまくいかなかった日の先輩の一言に置き換え、まだ探していない地元の方の暮らしの中へ、続けて届けてください。

2026年10月28日

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