
「フランスの催しを順に見ています。ナントにジャパナントという催しがあると聞きました。出展の窓口はどこでしょうか。公式サイトを開いてみたのですが、どこから申し込むのかが見当たりません」
見当たらないのが正しい状態です。ジャパナントの公式サイトに出ているのは、日程と会場と入場料までで、出展者の募集区分も申込フォームも掲示されていません。窓口は公式に記載されたメールアドレスへの問い合わせになります。
そのうえで、公式サイトから読み取れる事実を順に並べます。出るかどうかを決めるのに必要なのは、募集要項の有無ではなく、そこにどんな人がどれだけ来るかだからです。
1. 第15回は2026年4月18日と19日、サン=テルブランで開かれます
公式サイトに掲示されている内容は、次のとおりです。
- 名称は JapaNantes(ジャパナント)。第15回にあたります
- 会期は2026年4月18日(土)と19日(日)の2日間
- 会場は La Carrière(ラ・カリエール)。住所は 2 bis, rue du Souvenir Français, 44800 Saint-Herblain
- 主催は JapaNantes という名称の協会(アソシアシオン)
- 催しの性格は、日本文化・コスプレ・アート・マンガの convention と自ら書いています
会場のサン=テルブランは、ナント市の西に隣接する市です。日本で言えば政令市に接した衛星都市にあたり、ナント都市圏の中にあります。ナント市内ではありませんので、宿を取るときや案内を書くときに間違えないようにしてください。
2. 入場料は前売1日10ユーロ。ここから来場者層が読めます
公式サイトの料金表は次のとおりです。
- 前売 1日10ユーロ/週末通し18ユーロ/夜の部4ユーロ
- 当日 1日11ユーロ/週末通し19ユーロ/夜の部4ユーロ
- 子どもと障害のある方 1日6ユーロ
この金額は、出展を考える会社にとって意味のある情報です。1日10ユーロという設定は、商談に来る職業人ではなく、地元の愛好家とご家族が主な来場者であることを示しています。週末通しが18ユーロで、1日券の2枚ぶんより安くしてあるのも、2日とも来る常連を前提にした値付けです。
あわせて、夜の部が4ユーロで別に設けられています。公式サイトでは JapaNight として案内されています。昼の展示とは別に、夜に集まる企画があるということです。
来場者数については、公式サイトに記載がありません。ですので、ここでは数を書きません。第15回まで続いていることと、料金の組み立てから読めるところまでが、いま確かめられる範囲です。
3. 出展の窓口は、公式サイトに出ていません
公式サイトを一通り見ても、出展者の募集に関する記載は見当たりませんでした。ブティック区分も、作家や職人の区分も、申込フォームも、小間の広さも、出展料も、締切も、いずれも掲示がありません。
掲示されているのは、来場者に向けた情報だけです。料金、開催時間(2026年分は近日発表)、会場の住所、そして会場での決まりごと。決まりごとには、武器・爆発物・軍服の上下一式・危険な金属やガラス製品・アルコール・騒音を出す装置・乗り物・大きな荷物・ペットの持ち込みが禁止と書かれています。
連絡先として公開されているのは contact@japanantes.com です。出展を検討されるなら、ここへ直接お尋ねになるのが唯一の道筋です。
これは不備ではありません。協会が運営する地域の催しでは、出展者の枠を公募せず、つながりのある店や作家に声をかけて埋める形がよくあります。レンヌのロアゾン・ジャポンも同じで、公式に案内されている枠は作家と職人の展示販売だけでした。フランスの地方の催しを見るときは、募集要項が出ていないこと自体が、その催しの規模と運営の形を教えてくれます。
4. 同じナント都市圏には、もうひとつ大きな催しがあります
ナントには Art to Play という催しもあり、こちらは規模が大きく、会場も Parc des Expositions de Nantes です。同じ都市圏に性格の違う催しが2つある形になります。
2つの違いは、単純に言えば主催の形です。Art to Play は事業者が運営する見本市型で、ジャパナントは協会が運営する地域の催しです。どちらが良いという話ではなく、会いたい相手が違います。アート・トゥ・プレイの記事もあわせてご覧いただくと、同じ街で選び分ける材料になります。
5. 小さい催しから始める意味
弊社はフランスのジャパンエキスポ等へ累計11回出展してきました。そのうえで申し上げると、初回から最大規模の会場に出る必要はありません。
規模の小さい催しには、大きい会場にはない利点があります。運営の方と直接話せること、来場者との距離が近いこと、費用が抑えられること。この3つは、1回目の出展で「何が伝わり、何が伝わらなかったか」を持ち帰るには、むしろ好条件です。
逆に、小さい催しで気をつけることもあります。地域の愛好家が集まる場ですから、業務用の商材をそのまま持ち込んでも話になりません。出すのであれば、その場にいる人が自分の生活の中で受け取れる形にしてから行くことになります。
よくあるご質問
Q1. 問い合わせは、フランス語でないといけませんか。
協会の運営ですので、フランス語でお出しになるほうが確実です。英語で届くこともありますが、返事が遅れたり、届かなかったりすることがあります。1通目は短く、どこの誰で、何を出したくて、何人で来るのかだけを書くのが通りやすい形です。
Q2. 出展料の相場は、どのくらいでしょうか。
ジャパナントについては公表がありませんので、金額を書くことはできません。フランスの地方の催しでは、作家や職人向けの机1台の枠が数十ユーロから、という掲示を見かけますが、催しごとに大きく違います。問い合わせて確かめてください。
Q3. 2026年4月に間に合いますか。
枠が空いているかどうかは、問い合わせてみないと分かりません。ただ、間に合ったとしても、出すものを日本で用意する時間が要ります。会場で見せるものが決まっていないまま枠だけ押さえると、費用が残ります。
Q4. どんなものを持っていけばよいですか。
言葉が通じない前提で選んでください。商品そのものより、それが使われている場面が見えるもののほうが足を止めます。弊社がマンガをお勧めしているのは、絵と場面であれば、通りすがりの方にも数秒で伝わるからです。
Q5. 1回出て反応が無かったら、やめるべきですか。
やめる前に、何を持ち帰ったかをご確認ください。初回に本当に取れるのは、商談ではなく、現地の反応が想像とどう違ったかという記録です。一度では伝わらないという話を、白書に残る記録とあわせて書いています。
最後に、ひとつだけうかがわせてください。
もしフランスの催しに出るとしたら、御社は会場で誰に会いたいでしょうか。取引先でしょうか、それとも、これから御社を知る人でしょうか。
会いたい相手が決まると、出る催しの大きさも自然に決まります。そこからご一緒できます。
海外での実際の取り組みをご覧いただけます。国際マンガの事例を見る
募集要項が出ていないことも、その催しの形を教えてくれる事実です。
同じナントの、もうひとつの催し
フランスの催しを月順に


