
「パリの催しはジャパンエキスポしか知りません。7月のあの規模は、いきなり出るには大きすぎます。パリの中で、もう少し身の丈に合う催しはないのでしょうか」
あります。5月に、ヴァンセンヌの森のパリ植物公園で開かれる「サロン・ファンタスティック エ ジャパン・パーティ」です。第14回が2027年5月15日から17日に開かれると公式サイトが告知しています。中世ファンタジーの祭りと、アジア文化の祭りが、同じ会場に並び、1枚の入場券で両方に入れるという珍しい形の催しです。
公式サイトで確認できた事実と、確認できなかった事実を、分けて並べます。
1. 会期・会場・回数は、公式が出しています
公式サイトが掲示している事実は、次のとおりです。
- 名称。サロン・ファンタスティック エ ジャパン・パーティ(Le Salon Fantastique et Japan Party)
- 回数。第14回
- 会期。2027年5月15日(土)から17日(月)までの3日間
- 会場。パリ植物公園(Parc Floral de Paris)の催事場、アル・ド・ラ・ピネード(Hall de la Pinède)。ヴァンセンヌの森の中、パリ12区にあります
- 交通。メトロ1号線、RER A線、トラム3a・3b、路線バス
ジャパンエキスポの会場であるパリ・ノール・ヴィルパントは、パリ北郊の見本市会場です。こちらは市内の公園の中にあります。同じ「パリの催し」でも、性格がまるで違います。
2. 出展の区分は、4つの言葉で書かれています
公式サイトは、400を超える出展者があると記しています。その内訳を「créateurs, artisans, boutiques et associations」の4語で書いています。日本語にすると、創作者・職人・店舗・団体です。
ここは大事なところなので、正確に申し上げます。公式サイトに「企業ブース」「法人出展」にあたる区分は掲示されていません。日本の事業者が出るとすれば、この4つのうち「店舗」または「団体」に当てはめて申し込む形になります。どの区分で受け付けられるか、審査の基準があるかは、公式サイト上では確認できませんでした。
申し込みの入口は、公式サイトの案内では次の2つです。
- 出展者向けのメール通知に登録する。今後の催しごとに、受付開始の連絡が届く仕組みです
- 出展の事前登録フォームから登録する
3. 出展料と締切は、公式に掲示がありません
小間の広さ、机や電源の有無、出展料、申込の締切。この4つはいずれも公式サイトに掲示がありませんでした。2027年5月の第14回について、現時点で公開されているのは日程と会場と会期の3日間だけです。
入場券も同じで、公式の販売ページには「オンラインでの購入はまだできません」と書かれています。無料になる対象として、6歳以下の子どもと、介助が必要な方の付添1名が明記されているだけです。
金額の見当をつけたい場合、前回の第13回(2026年5月23日から25日)の料金が参考になります。パリの日本文化情報サイトが掲載していた金額は、土曜・日曜が18ユーロ、コスプレ参加者が15ユーロ、月曜が13.50ユーロ、同コスプレ11ユーロ、3日通し券が39.60ユーロ、同コスプレ32.80ユーロ、100枚限定のプレミアム3日券が80ユーロというものでした。7歳から17歳と、障害のある方には割引が設けられていました。これは公式発表ではなく第三者の掲載ですので、そのつもりでご覧ください。
4. 来場者数は、公式が数字を出していません
公式サイトは、前回の来場について「数万人(dizaines de milliers)」という書き方をしています。具体的な人数は出していません。第三者の監査値も見当たりませんでした。
ですので、この催しについて「来場◯万人」と書かれた資料を見かけたら、出どころを確かめてからお使いください。弊社としては、公式が数字を出していない以上、数字は書かないという扱いにしています。
5. 1枚の券で2つの祭りに入れる、という構造
この催しのいちばんの特徴は、性格の違う2つの祭りが同じ会場を分け合っている点です。公式サイトは「運営も入場も共通、1枚の券で2つの催しへ」と明記しています。
出展を考える立場から見ると、これは通路を歩く人の顔ぶれが変わることを意味します。日本文化を目当てに来た人だけではなく、中世ファンタジーや幻想文学を目当てに来た人も、同じ通路を通ります。日本のものに強い関心があるとは限らない人が、目の前を歩いていきます。
これを不利と見るか、有利と見るかは目的によります。すでに関心のある人に深く売るなら、専門の催しのほうが濃いです。まだ関心のない人に、初めて自社を見せるなら、こちらのほうが機会があります。ジャパンエキスポの出展料と比べる前に、誰に会いに行くのかを先に決めておくことをお勧めします。
6. 前回の会期は、夜まで開いていました
第13回の開場時間は、土曜と日曜が10時から21時30分(最終入場20時)、月曜が10時から18時(最終入場17時30分)でした。第14回の時間は、公式サイトで「追って告知」となっています。
夜まで開く日が2日あるということは、1日の立ち番の設計が変わります。日本の展示会の感覚で朝から夕方までの人員を組むと、いちばん人が動く時間に人が足りなくなります。会期が土曜・日曜・月曜という並びである点も、日本から人を送る場合は日程の組み方に影響します。
なお、来場者用の駐車場は土曜が有料(23ユーロ)で、ピラミッド通り側の入口から入る旨が公式に案内されています。
7. 弊社が申し上げられること
弊社は、フランスのJAPAN EXPO等のマンガ関連イベントに計11回出展してまいりました。その経験から1つだけ申し上げると、催しの規模と、成果の大きさは比例しません。決めるのは、行く前に何を作っておいたかです。
会場で配る紙が会社案内だけの場合、フランス語圏の来場者にとっては読む理由がありません。反対に、絵で追える読み物が1つあると、言葉が通じないまま最後まで見てもらえます。海外出展は1回では決まらないという話も、この準備の有無に関わってきます。
よくあるご質問
Q1. 出展料はいくらですか。
公式サイトに掲示がありません。金額を知る道は、出展者向けのメール通知に登録して、受付開始の連絡を待つことになります。掲示が出るのを待って公式サイトを見に行く方式では、受付開始に氣づけない運営です。
Q2. 来場者は何人ですか。
公式は「数万人」としか書いていません。正確な人数は公表されていません。稟議に人数が必要な場合は、この催しについては公式が数字を出していないという事実のほうを書いたほうが、あとで齟齬が出ません。
Q3. マンガやアニメと関係のない業種でも出られますか。
公式の区分は創作者・職人・店舗・団体の4つです。日本にまつわる商材を扱う事業者であれば店舗の区分に当たると考えられますが、審査の基準は公開されていません。確実なのは、事前登録の段階で自社の商材を書いて問い合わせることです。
Q4. ジャパンエキスポと、どちらに出るべきですか。
規模も来場者の性格も違うため、比較して片方を選ぶ性質のものではありません。すでに日本のものに関心の高い層へ深く届けたい場合は7月のジャパンエキスポ、まだ関心のない層に初めて見せたい場合は5月のこちら、という分け方が実態に近いと考えます。
Q5. いつ動けばよいですか。
会期は2027年5月です。料金と出展の受付は、それより前に順次公開される見込みですが、時期は公式に予告されていません。いま打てる手は、出展者向けのメール通知への登録だけです。登録そのものに費用はかかりません。
最後に、ひとつだけうかがわせてください。
御社が海外の催しへ出るとして、会場で配るものは、フランス語が読めない人にも最後まで見てもらえる形になっているでしょうか。
いまお使いの配布物を1つ、ご相談のときにお持ちください。翻訳の前に、見て分かる形になっているかを一緒に見ます。
海外向けマンガの実際の取り組みをご覧いただけます。国際マンガの事例を見る
パリの催しは1つではありません。会場の性格が違えば、通路を歩く人も違います。
参考ブログ
参考実績


