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どの展示会に出れば、いいのでしょうか?
来場者数ではなく、通路を歩く人の職種で決まります

公開日:2026年8月31日
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来場者数ではなく、通路を歩く人の職種で決まります
展示会場の広い通路に立ち、2枚の無地の来場案内を左右の手に持って見比べかけたまま顔を上げるアマンディーヌ。どの展示会に出ればいい?決め手は来場者数ではありません。

「展示会に出よう、という話にはなった。ただ、どの展示会に出ればいいのかが決まらない。案内はどれも来場者何万人と書いてある」

選ぶ基準は、来場者数ではありません。その通路を歩く人の職種です。10万人が来る催しでも、御社の商品を買う立場の人が1人も歩いていなければ、商談は1件も生まれません。逆に、来場が2万人でも、決裁に関わる職種が濃く歩いていれば、その2万人のほうが重い。ここを取り違えたまま出展先を決めると、費用ではなく1年を失います。

以下、公表されている調査と、弊社が実際に立ち会った現場の記録を分けて並べます。

1. 来場者数と、御社の商談の数は、別の数字です

まず前提を1つ。来場者は、御社のためだけに来ているのではありません。産業機械の展示会情報サイト、アペルザの来場者調査(有効回答413名)では、来場者が1回の来場で訪問するブースは平均17社でした。

会場に1,000社が出ていれば、来場者が立ち寄るのは、そのうちのおよそ17。残る983社の前は通り過ぎます。つまり出展者にとっての本当の競争は、来場者の総数ではなく、その17枠に入れるかどうかです。

総来場者数が2倍になっても、この17という数はほとんど変わりません。増えるのは、通路を歩く人の数と、隣のブースの明るさです。

2. 主催者の案内から読み取るべきは、次の3つです

展示会の公式案内には、たいてい来場者数が大きく出ています。そこではなく、小さく載っている次の3か所を見てください。

  1. 来場者の職種の内訳。技術・購買・経営のどれが多いか。設計者ばかりの催しに、経営層向けの商材を持ち込んでも噛み合いません
  2. 来場者の勤務先の規模と業種の内訳。御社が取引したい層が、実際にその通路を歩いているか
  3. 同時開催の催しの顔ぶれ。人はチケット1枚で複数の会場を歩きます。隣で何が開かれているかで、通路の顔ぶれは変わります

この3つが公表されていない催しは、それ自体が判断材料です。出展を集めることが目的になっていて、来場者の質を数えていない可能性があります。問い合わせて出してもらえるかどうかまで含めて、主催者の姿勢を測ってください。

3. 同じ会社でも、出る催しが変われば結果は変わります

弊社が伴走した株式会社美華道さまの記録を、そのままお伝えします。床面サインの特殊施工「スマートシグナル」を扱う会社さまです。

前回の出展先は関西物流展でした。次に第2回鉄道技術展・大阪2026(2026年5月27日から29日、インテックス大阪)へ出展されています。この回で記録された数字が次のとおりです。

  1. アンケート回収459件。前回出展の関西物流展の約12.8倍
  2. 前向きな反応164件、率にして35.7パーセント
  3. 会期中に出た見積依頼19件
  4. 対話した相手の75.5パーセントが、JRや上場大手などの大企業層

ここで正直に申し上げます。この差を、出展先を変えたからだ、と言い切るつもりはありません。同じ回で、当日のブースの作り方も、迎え方も変えています。数字の全部を選び方の手柄にはできません。

それでも、はっきりしていることが1つあります。4番目の75.5パーセントという数字は、当日の工夫では作れないということです。誰が通路を歩いているかは、出展先を決めた時点で、ほぼ決まっています。当日できるのは、歩いてきた人の足を止めることだけです。

4. 決める前に、主催者へ聞いておく5つ

資料請求のときに、次の5つを書き添えて送ってください。返答の速さと具体性まで含めて、判断の材料になります。

  1. 前回来場者の職種別・企業規模別の内訳をいただけますか
  2. 前回の出展社数と、そのうち初出展は何社でしたか
  3. 小間の位置は、いつ、どんな順番で決まりますか
  4. 出展社向けの事前案内は、来場登録者へ何回、どんな形で届きますか
  5. 会期後に、来場者データはどこまで出展社へ渡されますか

3番目は、地味に見えて効きます。同じ出展料でも、入口から遠い袋小路の小間と、主通路に面した小間では、前を歩く人数が変わります。位置の決まり方を知らずに申し込むと、運任せになります。

5. 選び終えたあとに崩れるのは、たいてい当日の作り方です

出展先を正しく選んでも、成果が出ない会社さまがあります。弊社が現場で繰り返し見てきた原因は、1つに集約されます。リストを集めることが、いつのまにか目的になってしまっていることです。

名刺さえ集めておけば、あとはテレアポやメールで追いかけられる。そういう段取りで組まれた出展は、ほぼ動きません。データだけ取られて、その場で何も起きていないからです。現場で盛り上がらなかった相手に、後日メールを送っても、送った側の記憶しか残っていません。

数字でも、同じことが確かめられます。先ほどのアペルザの調査では、来場者が持ち帰った資料の94.9パーセントは保管されていませんでした。名刺管理サービスのSansanの調査(有効回答1,272名)では、受け取った名刺の57.7パーセントが管理されないままです。展示会の現場では「3秒以内に印象に残らないと素通りされる」「集めた名刺の9割は捨てているのも同然」とよく言われますが、こうした数字を見ると、言い過ぎとも思えません。

一方で、同じアペルザの調査では、ブースを訪問したあとに検討を始めた人が56.6パーセントいます。その場で何かが起きた相手は、ちゃんと動いているということです。分かれ目は、集めた枚数ではなく、通路で交わした中身のほうにあります。

弊社は、フランスのJAPAN EXPO等のマンガ関連イベントに計11回出展してまいりました。言葉が通じない通路で分かったのは、掲げた説明文の正確さでは足が止まらないということです。読ませる資料より、絵だけで筋が追えるもののほうが、通路では強い。国内の展示会でも、これは変わりません。

よくあるご質問

Q1. 来場者数が多い催しに出るのは、間違いですか。

間違いではありません。順番の問題です。まず御社が会いたい職種を1つ決め、その職種が濃く歩く催しを探す。候補が複数残ったときに、はじめて来場者数で並べ替える。この順番なら、人数の多さは味方になります。逆にしたときだけ、費用が空振りします。

Q2. 初めての出展です。大きい催しと小さい催し、どちらから始めるべきですか。

小さいほうをおすすめしています。理由は費用ではありません。小間が小さいほど、誰の足が止まり、どこで止まらないかが、はっきり見えるからです。1度目で自社の見せ方の当たり外れを掴んでから、大きい催しで本命の小間を取る。この順番なら、1回で見切る出展になりません。

Q3. 出展先を毎年変えたほうがよいですか。

おすすめしません。BtoBの展示会マーケティング支援を行う才流の調査(有効回答300名)では、9割を超える企業が出展を継続すると答えています。理由は明快で、2回目以降は前年に会った人が訪ねてきてくれるからです。毎年変えると、その積み上がりが毎回ゼロに戻ります。変えるべきは出展先ではなく、当日の作り方のほうです。

Q4. 業界の展示会が見つかりません。

その場合は、御社の商品を使う人ではなく、御社の商品を組み込む人が集まる催しを探してください。部品なら完成品の催し、材料なら加工の催しです。買い手そのものより、買い手のとなりに立つ人のほうが、通路では見つけやすいことがあります。

Q5. 出展を決めたあと、社内で何から始めればよいですか。

ブースの図面より先に、会期後に誰が何日以内に連絡するかを決めてください。ここが決まっていない出展は、当日どれだけ盛り上がっても、2週間後に止まります。順番としては、会いたい相手、当日その場で起こすこと、帰ってからの動き。この3つを先に決めて、それから小間の設計に入ります。

最後に、ひとつだけうかがわせてください。

御社がいちばん会いたい相手の職種を、ひとことで言うと何になりますか。

その1語を書いた紙を1枚、ご相談のときにお持ちください。

展示会での実際の取り組みをご覧いただけます。展示会マンガの事例を見る

選ぶのは、人数ではありません。選ぶのは、その通路を歩く人です。

参考ブログ

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参考実績

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