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入った人が半年で辞めるのはなぜ?
入る前に、働く姿を一度も見ていないからです

公開日:2026年9月5日
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入る前に、働く姿を一度も見ていないからです
日暮れの住宅街に面した町工場で、開いた引き戸の枠に手を添えて中で働く人たちのほうへ身を寄せるアマンディーヌ。採用しても半年で辞めるのはなぜ。入る前に、働く姿を一度も見ていないからです。

「通勤圏内に住んでいる人を採用しました。条件も合っていました。それなのに半年ほどで辞めてしまいます。これが何度も続きます」

辞めた理由は、たいてい入社後に起きたことではありません。入る前に、その人が御社で働く姿を一度も見ていないことが原因です。見ていないまま入ると、初日から毎日が答え合わせになります。想像と違ったところが1つ出るたびに、辞める理由が1つ増えていきます。

以下、なぜそうなるのかと、入る前に見せるために何ができるのかを順に書きます。

1. 定着しないのは、入社後だけの話ではありません

早期に辞める方が出ると、原因は入社後に探されます。教育が足りなかった。先輩との相性が悪かった。仕事がきつかった。どれも本当に起きていることです。

ただ、同じことが起きても辞めない方がいます。違いは、覚悟の量ではありません。入る前に、それが起きると分かっていたかどうかです。

暑い現場だと知って入った方は、暑い日に「聞いていない」とは思いません。3年目までは同じ作業が続くと知って入った方は、2年目に「話が違う」とは思いません。分かって入った人は、起きたことを予定として受け取ります。分からずに入った人は、同じことを裏切りとして受け取ります。

ですから、定着の勝負は入社日より前についています。

2. 条件で来た人は、条件で去ります

給料、休日数、通勤時間。この3つは、あって当たり前と受け取られ、他社と並べたときの差だけが見られます。仕事に対する満足を生むのではなく、不足していると不満を生むものです。労働の研究では衛生要因と呼ばれます。

一方で、仕事そのものの中身、任される範囲、認められること、伸びていく実感。ここが人を動かす側で、動機づけ要因と呼ばれます。

ここから導かれることは1つです。条件だけを見て入った方は、条件がより良い会社が見つかった時点で去ります。御社が悪かったのではありません。最初から、比較の土俵が条件しかなかったのです。

そして条件の土俵では、規模の大きい会社が勝ちます。同じ土俵に乗るほど、御社は不利になります。

3. 地元の人は、会社を知らないのではなく、知る機会がなかった

いちばん申し上げたいのは、ここです。

近くに住んでいる方は、御社に興味がないのではありません。知る機会が一度もなかっただけです。作業場は道路から中が見えません。看板には社名しか書いていません。取引は法人同士で完結します。地域の暮らしの中に、御社の働く姿が出てくる場面が、そもそもありません。

求人票は、いま探している人の画面にしか出ません。しかも、探している方が求人票を見るのは、応募を決める数日前です。その数日で、働く姿を思い浮かべられるようになる方はいません。

つまり御社は、知られていないのではなく、知る機会を作っていないだけです。ここは直せます。

4. 近くから採るほうが良い、という手ごたえには裏づけがあります

マイナビの新卒調査では、2027年卒の学生のうち地元での就職を希望する方が58.7%でした。前年より2.3ポイント増え、4年ぶりの増加です。調査は2026年3月20日から4月5日、回答は2,800名です。

同じ調査で、地元の企業を知ったきっかけの1位は「家族や知り合いの勤務先企業の話を聞いたことがある」で44.0%でした。求人サイトでも合同説明会でもありません。人づてです。

この2つは新卒の学生を対象にした調査ですので、中途採用にそのまま当てはめることはできません。ただ、知るきっかけが人づてに寄っているという構造は、地域の中途採用でも同じように見えます。近所の方が働いている会社は、条件を見る前から中身が伝わっています。

5. 入る前に働く姿を見せるために、できること

やることは1つです。探していない人の日常の中に、働く姿を先に置くことです。順番に書きます。

  1. 働く場面を選ぶ。新人がどう教わるか、1日の始まりと終わり、失敗したときに何が起きるか。良いところだけを選ばない
  2. 読まなくても筋が追える形にする。文章で書くと、読む氣のある人にしか届きません
  3. 探している人の画面ではなく、暮らしの中へ置く。地域の家庭へ配る、取引先の待合に置く、地域の催しで配る
  4. 1回で終わらせない。1回配っただけでは「何か入っていた」以上のものは残りません
  5. 入社前にもう一度渡す。内定から入社までの間が、いちばん想像が揺れる時期です

大阪市港区の前田機械さまでは、求人サイトに掲載しても応募がゼロという状態が続いていました。採用マンガを作り、地域へ配布したところ、配布から10日で見学の応募が入り、そのまま採用に至りました。現在は第2弾を継続して運用されています。

ここで大事なのは、応募が来たことより、見学から入られたことのほうです。見てから入った方は、初日に驚くことが減ります。

よくあるご質問

Q1. 職場見学をすでにやっています。それでも辞めます。

見学の中身をご確認ください。整えた日の、整えた場所だけをご覧いただいていないでしょうか。見学で辞めにくくなるのは、いちばん大変な時間帯と、その時間帯に先輩がどう動いているかを見たときです。

Q2. 悪いところを見せたら、来なくなりませんか。

来る人数は減ります。ただ、減るのは、それを知っていたら来なかった方です。その方は入っても半年で辞めます。採用にかかる費用は、入って辞めた1人のほうがはるかに大きくなります。

Q3. 給料を上げるのは意味がないということですか。

そうではありません。低すぎれば辞めます。ただ、上げても入る理由にはなりにくく、上げ続けなければ効かなくなります。上げたうえで、中身を見せてください。

Q4. 中途採用でも同じですか。

同じです。むしろ中途のほうが、前職との比較が具体的なぶん、想像との差が早く表に出ます。ご家族の意向も強く働きます。ご本人だけでなく、ご家族にも中身が伝わっているかをご確認ください。

Q5. どのくらいで効きますか。

前田機械さまでは、配布から10日で見学の応募がありました。ただ、これを標準の日数としてお約束することはできません。地域の世帯数、業種、時期で変わります。定着の側の変化は、それより遅れて出ます。1年は見てください。

最後に、ひとつだけうかがわせてください。

直近で辞めた方は、入社前に御社の現場を何時間ご覧になっていましたか。

その時間数を書いた紙を1枚、ご相談のときにお持ちください。ゼロと書かれることが、いちばん多くあります。

すでに出ている費用に、何が返っていますか。

求人サイトの掲載料、展示会の出展料、広告費。どれも、もう払っている費用です。その額に対して何人採れたのか、何件が商談になったのか。御社の数字を入れると、そのまま出ます。会社名もお名前も要りません。

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探していない人の日常に、働く姿を先に置いています。採用マンガプロジェクトを見る

分かって入った人は、起きたことを予定として受け取ります。知らずに入った人は、同じことを裏切りとして受け取ります。

参考実績

前田機械さま 採用マンガ【工場】製造業の採用マンガ事例求人サイトで応募ゼロ。地域へ配布して10日目に、見学の応募が入りました。実績を見る →

参考ブログ

給料を上げても応募が来ないのはなぜ給料を上げても、応募が来ないのはなぜ?条件を上げるほど、大きい会社と同じ土俵に乗ります衛生要因と動機づけ要因の話を、応募の側から書いています。記事を読む →

2026年9月5日

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