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合同説明会でブースに学生が来ないのは、なぜですか?
知らない会社の前で足を止める理由が、まだ無いからです

公開日:2026年9月17日
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知らない会社の前で足を止める理由が、まだ無いからです
合同説明会の会場の通路。スーツの来場者が次々と通り過ぎていく中で、ひとりだけ足を止めている。立ち寄られないのは興味が無いからではなく、足を止める理由がまだ無いからです

「合同説明会に出ました。ブースも用意して、人も出して、資料も刷りました。ですが目の前を学生さんが通り過ぎていくばかりで、座っていただけたのは数名です。隣の大きな会社さんの前には列ができていました。うちのような会社が出ても、意味がないのでしょうか」

意味が無いのではありません。立ち寄っていただけなかったのは、御社に興味を持たれなかったからではなく、足を止める理由が、その場ではまだ生まれていなかったからです。学生さんは御社を避けたのではありません。知る機会が、その日まで一度も無かっただけです。

以下、合同説明会という場所の性質を分けたうえで、公表されている調査と、弊社が実際に伴走した現場の記録を並べます。

1. 立ち寄られなかったのは、興味が無かったからではありません

会場で起きていることを、順に分けてみます。学生さんは入口で会場図を受け取り、通路を歩きながら、左右に並ぶブースの看板を見ています。このとき手元にあるのは、社名と業種だけです。

知っている社名があれば、そこへ向かわれます。知らない社名の前では、立ち止まるかどうかを、その場の数歩のあいだに決めることになります。判断の材料が社名しか無いのですから、知らない会社が飛ばされるのは、学生さんの冷たさではなく、順番の問題です。

つまり選ばれなかったのではなく、比べる土俵にまだ上がっていなかった、ということです。ここを取り違えると、次の合説でブースの飾りを増やす方向に力を使ってしまいます。

2. 合同説明会のブースは、展示会のブースと同じ構造をしています

弊社は展示会の出展を伴走する仕事をしてきました。合説の話をうかがうたびに、構造が同じだと感じます。並んだブース。限られた時間。通路を歩く人。そして、立ち止まるかどうかが看板の前の数歩で決まること。

展示会の世界では、ブースは一目で何屋なのかが読めなければ素通りされる、とよく言われます。数字として断定はできませんが、現場に立った方であれば、どなたも心当たりのある実感だと思います。合説でも同じことが起きています。違うのは、売るものが商品か、働く場所かというだけです。

そして展示会には、もう1つ有名な言い回しがあります。集めた名刺の9割は、使われないまま終わる、というものです。合説に置き換えると、回収したアンケート用紙と、そのあと送るメールがこれに当たります。

3. 足を止める理由は、ブースの前では作れません

ここが、いちばん申し上げたいところです。

弊社が展示会の現場で何度も見てきたのは、リストを集めることがゴールになってしまっている出展です。名刺さえ集めれば、あとから電話や案内で追いかけられる、と考えられている。ところが、その場で何も起きていない相手を、あとから追いかけることはできません。データだけ持ち帰っても、現場で盛り上がっていなければ、商談にはなりません。

採用も同じです。アンケート用紙に名前を書いていただいても、その紙に書かれているのは連絡先であって、関心ではありません。当日その場で、御社について何か1つでも語れる状態になっていただけたかどうか。後の連絡が届くかどうかは、そこで決まっています。

では、その日に足を止めていただくために何ができるか。ブースの前で勝負を始めると、打てる手は看板の大きさと声かけだけになります。そこは大きな会社が最も強い場所です。だから、勝負はもっと前で始めます。

4. 知る機会は、合説の前の日常の中にあります

マイナビの2027年卒の学生を対象とした調査(回答2,800名・2026年3月20日から4月5日)では、地元で働きたいと答えた学生が58.7%で、前年より2.3ポイント増え、4年ぶりに増加に転じています。地元で働きたい学生は、確かにおられます。

同じ調査で、地元の企業を知ったきっかけの第1位は「家族や知り合いの勤務先企業の話を聞いたことがある」で44.0%でした。求人媒体でも、説明会でもありません。日常の会話です。なお、この調査の対象は新卒の大学生と大学院生ですので、中途採用にそのまま当てはめることはできません。

この数字が示しているのは、学生さんが会社を知る瞬間は、探している時間の中ではなく、探していない時間の中にある、ということです。合説の会場は、学生さんが「探している」数時間です。その数時間だけで初対面から関心までを作ろうとすると、どうしても知名度の勝負になります。

ですから、合説の前に、その地域の暮らしの中へ、働く姿を置いておきます。読み物として手に取っていただける形にして、ご家族の目に触れる場所へ届けます。すると当日、社名を見た学生さんの中に「これ、見たことがある」が生まれます。足を止める理由は、この一言です。

5. 5名の見込みだった説明会に、28名が参加された記録

アイケイケイさまでは、参加を5名と見込んでおられた説明会に、28名の方がお越しになりました。前後を比べた倍率ではありません。見込んでいた数と、実際に来られた数の差です。

前田機械さまでは、求人サイトに出しても応募が無い状態から始まりました。働く姿を読み物にして地域へ配ったところ、配布から10日で見学のお申し込みがあり、採用に至りました。現在は第2弾を継続して運用しておられます。

どちらも、説明会の当日に何か特別なことをしたわけではありません。当日までに、知っていただく時間を作っておいた、という違いだけです。

6. 次の合同説明会までに、確かめられること

大きな準備を始める前に、3つだけ確かめてみてください。

1つ目。前回の合説で回収されたアンケート用紙のうち、その場で御社の話を10分以上された方が何名おられたか。枚数ではなく、会話が起きた数を数えてください。

2つ目。ブースの看板を通路から見たとき、何をしている会社かが、社名を読まずに分かるか。写真でも構いませんので、当日の通路側から撮った1枚を見返してください。

3つ目。会場に来られる学生さんが暮らしておられる地域に、御社の働く姿が置かれている場所が1つでもあるか。求人票以外で、です。

3つとも空欄でしたら、次の合説でブースを大きくしても、同じ日が繰り返されます。順番を変えるのは、会場の中ではなく、会場に来られる前です。

よくあるご質問

Q1. 合同説明会への出展は、やめたほうがよいですか。

やめないでください。役割が違います。合説は、すでに探しはじめた学生さんと、同じ日に何十人も顔を合わせられる貴重な場所です。ここに代わる場所はありません。ただ、初めて知っていただく役割まで合説に背負わせると、知名度の勝負になります。知っていただくのは前に、会っていただくのが当日です。

Q2. ブースの装飾や、ノベルティを増やせば立ち寄っていただけますか。

足は止まります。ただ、止まった理由が装飾やノベルティですと、そのあと御社の話に移っていただけません。立ち寄られた方の記憶に残るのは、受け取った物です。止める理由は、御社が何をしている会社かと結びついているほうが、あとまで残ります。

Q3. 大きな会社と並んで、中小企業に勝ち目はありますか。

知名度では勝てません。勝つ場所を変えます。学生さんが通える範囲に絞れば、届ける相手は数えられる人数です。全国に知られる必要はありません。会場に来られる前の数か月で、その地域に繰り返し届けられるのは、むしろ地域に根を張っておられる会社のほうです。

Q4. 当日、声をかけても立ち止まっていただけません。どうすればよいですか。

声をかける前に、足が止まっているかどうかを見てください。歩いている方に声をかけると、断る動作のほうが先に出ます。通路から見て何屋かが読める状態を作り、視線が向いた方にだけ声をかけると、会話の始まり方が変わります。

Q5. まず何を1つやればよいですか。

いま働いておられる若手の方に、「この仕事のことを、ご友人にどう説明しておられますか」と聞いてみてください。その言葉が、いちばん近い相手へ実際に届いた実例です。説明できる言葉がまだ無いようでしたら、学生さんが御社を知る機会は、いまのところどこにもありません。そこが出発点になります。

最後に、ひとつだけうかがわせてください。

次の合同説明会の会場で、御社のブースの前を歩く学生さんが、看板の社名を見て「これ、見たことがある」と思われる可能性は、いまどれくらいおありでしょうか。

ほとんど無い、とお感じでしたら、そのことをご相談のときにお聞かせください。当日の見せ方ではなく、当日までの置き場所から一緒に考えます。

すでに出ている費用に、何が返っていますか。

求人サイトの掲載料、展示会の出展料、広告費。どれも、もう払っている費用です。その額に対して何人採れたのか、何件が商談になったのか。御社の数字を入れると、そのまま出ます。会社名もお名前も要りません。

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合同説明会で立ち寄っていただけないのは、興味が無かったからではありません。知る機会が、その日まで一度も無かったからです。

参考ブログ

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