御社の魅力を、物語にして、世界中にファンを。

フランスからの旅行者に、地方の町を選んでもらうには?
名所の案内より先に、町の物語を届けておく

公開日:2026年10月7日
TOP > ブログ > フランスからの旅行者に、地方の町を選んでもらうには?
名所の案内より先に、町の物語を届けておく
フランスの旅人に選ばれる町とは? 名所より先に、町の物語を

駅前で、ヨーロッパから来た旅行者の方が地図を広げている。町の古い通りで写真を何枚か撮ると、その日のうちに次の大きな町へ移っていく。英語とフランス語の案内パンフレットも作ったし、観光サイトにも載せた。それでも泊まってはもらえない。そんな場面に、心当たりはありませんか。

「フランスからの旅行者に、地方の私たちの町を選んでもらうには、どうすればいいのでしょうか」

名所の案内より先に、その町の物語を届けておくことです。旅行者の方が町の名前を知るのは、たいてい旅の計画を立てる段階です。そのときにはもう、行き先の候補は有名な都市で埋まっています。計画を立てる前の日常の中で、町の人や暮らしの物語に一度出会っていれば、地図の上の小さな名前が「行ってみたい場所」に変わります。

以下、地方の観光に携わる方が迷う理由から始めて、フランスの旅行者が何を期待して日本へ来るのか、物語をどう届けるのか、始める前に決めておくことまでを書きます。

1. 地方の町が選ばれないのは、魅力が無いからではありません

海外からの旅行者を迎えたいと考える自治体や観光事業者の方から、よく聞く迷いがあります。

  1. 案内を多言語にしても、来てもらえない。パンフレットもサイトも整えたのに、問い合わせが増えた実感が無い。
  2. 来ても、通り過ぎていく。写真を撮って数時間で次の町へ。泊まってもらえず、町でお金が使われない。
  3. 何を見せればいいのか、町の中で意見が割れる。寺社か、食か、自然か。全部を並べると、結局どれも印象に残らない。
  4. 海外の見本市に出ても、1回で終わってしまう。反応はあったはずなのに、翌年の予算が付かない。
  5. 担当の方が代わると、積み上げが消える。現地でできた縁や手応えが、引き継ぎの書類だけでは伝わらない。

5つとも根は同じです。町の魅力を伝える順番が、旅行者の方が町を知る順番と逆になっています。旅行者の方は、名所の一覧を見て行き先を決めるのではなく、心に残った話のある場所を選びます。

2. フランスの旅行者は、何を期待して日本へ来るのか

観光庁の訪日外国人消費動向調査(2024年・確報)には、訪日前に期待していたことを尋ねた設問があります。「日本のポップカルチャーを楽しむ」を挙げた方は、フランスからの旅行者で36.2%(回答565人)でした。同じ設問で韓国は11.1%、台湾は12.7%です。フランスの旅行者は、マンガやアニメへの関心を持って日本へ来る割合が、近隣の国より目立って高いことが分かります。

フランス国内でも、マンガは一部の愛好家だけの物ではありません。フランス国立図書センター(CNL)とIpsosの調査(2025年1月から2月・1,001人)では、過去12か月にマンガを1冊以上読んだ方はフランス人の19%、15歳から19歳では44%でした。

ただし、ここで正直に書いておくべきことがあります。同じ観光庁の調査で、全体の順位を見ると、ポップカルチャーは20項目中13位で、フランスに限っても10位です。上位に来るのは、日本の食事や買い物です。

つまり、マンガは旅の目的そのものというより、日本を身近に感じる入口です。入口で出会った物語の先に、その町の食や暮らしがある。この順番で届けると、マンガへの関心と、旅行者の方が本当に楽しみにしていることが、一本の線でつながります。

3. 名所の案内は、いま行き先を探している人にしか届きません

多言語の案内パンフレットや観光サイトは、すでに「どこへ行こうか」と調べている方に向けた物です。そのときの候補は、東京・京都・大阪といった名前の知られた都市から埋まっていきます。地方の町は、比べられる前に候補から外れてしまいます。

地方の町が知られていないのは、魅力が無いからではありません。旅行者の方が、その町を知る機会が無かったのです。

だから、旅の計画を立てる前の日常の中に、町の物語を置いておきます。好きなマンガのイベントに出かけた日、手に取った1冊の中に、ある港町の漁師さんの朝や、山あいの宿のおかみさんの一日が描かれている。そうして一度出会った町は、計画を立てるときに、もう知らない町ではありません。

4. 町の物語をマンガにして、現地のイベントで手渡す

私たちは、フランス・JAPAN EXPO等のマンガ関連イベントに計11回出展してきました。その中で見てきたのは、来場者の方がブースの前で足を止めるのは、製品や名所の説明よりも、人の顔が見える物語に触れたときだということです。

マンガカルチャーが一緒に組み立てるのは、作って配って終わる冊子ではなく、町の方も、フランスの読者の方も巻き込んで動くプロジェクトです。

  1. 前 町の方と、物語の種を探す。名所を並べるのではなく、その町で暮らし、働く人の一日から話を起こします。町の方が自分たちの物語として語れる形にします。
  2. 中 現地のイベントで、物語を手渡す。マンガを読んでいただき、その場で町の食や手仕事に触れていただく。読むだけで終わらず、体験として残る場をつくります。
  3. 後 手にした方と、つながり続ける。読んだ方が町を訪れたくなったときに、次の一歩が分かるようにしておきます。いただいた感想は、翌年の物語の種になります。

物語の主役が町の方々なので、町の中でも「自分たちのこと」として語られるようになります。外に向けた発信が、そのまま町の内側を動かします。

1回の出展で終わらせない

デジタルコンテンツ白書2013は、山陰国際観光協議会(島根県・鳥取県および各市で構成)が2012年から2013年にかけてJapan Expoへ続けて出展した事例を、現地の取材とともに取り上げています。同じ白書は、地方公共団体の出展が続かない理由として、1回の出展で成果が出ずにあきらめてしまうこと、担当者が代わって情熱が失われることを挙げています。

海外での発信は、1回で答えが出るものではありません。前の年に物語を手にした方が、翌年のイベントで「続きはありますか」と戻ってきてくださる。そこから、町を訪れる方が少しずつ生まれていきます。

5. 始める前に決めておく5つ

  1. 誰の物語にするか。町の名所ではなく、町の誰の一日を描くのか。主役は1人か、ひとつの家族か、ひとつの仕事場くらいに絞ります。
  2. どこで手渡すか。フランスには、パリだけでなく各地に日本文化のイベントがあります。町の物語と相性のよい場所を選びます。
  3. 手にした方に、次に何をしてほしいか。町を調べてほしいのか、感想を寄せてほしいのか、いつか訪れてほしいのか。読み終えたあとの一歩を先に決めます。
  4. 町の側で、誰が受け止めるか。訪れた方を迎える宿や店の方にも物語を共有し、「読んで来ました」と言われたときに話がつながるようにします。
  5. 2年目に何を足すか。1年目の反応を見て、次の物語の舞台や主役を決める流れを、最初から計画に入れておきます。

6. 1年で終わらせず、2年目・3年目へ

物語で町を知っていただくことは、一度の広告とは違い、時間をかけて効いてきます。1年目は、町の名前と物語を知っていただく年。2年目は、前の年の読者の方とふたたび会い、物語の続きを届ける年。3年目には、物語を手に町を訪れた方の声が、次の物語の材料になっていきます。

担当の方が代わっても、物語と、物語でつながった読者の方は残ります。積み上げが書類ではなく物語の形で残ることが、プロジェクトとして続けていく強みです。

よくある質問

Q1. フランス語のマンガを作るのは、難しくありませんか。

物語を日本語で組み立てたうえで、現地の読者の方に自然に読める言葉へ移します。言葉を移すことよりも、町の誰を主役にするかを決めることのほうが、ずっと大切です。

Q2. 有名な名所が無い町でも、物語になりますか。

なります。むしろ、名所が無い町のほうが、暮らしや仕事の物語が際立ちます。旅行者の方が覚えて帰るのは、建物の名前より、そこで出会った人の顔であることが多いからです。

Q3. 現地のイベントに出たことがなくても、始められますか。

始められます。どのイベントが町の物語と合うか、時期や来場者の層を見比べるところから一緒に考えます。フランス各地のイベントは、フランスの日本文化イベントの年間カレンダーにまとめています。

Q4. 成果は、何で確かめればよいですか。

宿泊数のような最後の数字だけでなく、物語を手にした方の数、感想を寄せてくださった方の数、翌年に戻ってきてくださった方の数を、年ごとに見ていきます。海外での出展を1回で終わらせない考え方は、海外の展示会が1回で終わってしまう理由でも書いています。

最後に、ひとつだけうかがわせてください。

皆さまの町で、旅行者の方にいちばん会ってほしい人は、誰ですか。名所ではなく、その方の一日を、まだ町を知らない誰かに話すとしたら、どこから話し始めますか。

その答えが、町の物語の最初の1ページです。

すでに出ている費用に、何が返っていますか。

求人サイトの掲載料、展示会の出展料、広告費。どれも、もう払っている費用です。その額に対して何人採れたのか、何件が商談になったのか。御社の数字を入れると、そのまま出ます。会社名もお名前も要りません。

投資対効果を試算する

町の方とフランスの読者の方を物語でつなぎ、会期の前・中・後と、その先の2年目・3年目まで一緒に運用しています。国際マンガプロジェクトを見る

皆さまの町の物語をどこから始めるか、一度お話をうかがうこともできます。30分の面談を予約する

地方の町は、知られていないのではなく、知る機会が無かっただけです。名所の案内より先に、町の物語を届けておきます。

2026年10月7日

この話題についてもっと知りたい方へ

30分のZOOM診断で、御社の課題と解決方針をお伝えします。

今すぐペルソナ体験を予約する
← ブログ一覧へ戻る

PAGE TOP

お問い合わせ

まずは質問だけでも構いません。

取材・提携・お見積りなど、面談のご予約以外のご用件はこちらへどうぞ。お電話は 06-6121-6062 でも承ります。

ご入力内容はプライバシーポリシーに沿って取り扱います。