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中小企業の採用戦略は、どこから立てればいいですか?
媒体を選ぶ前に、知っていただく機会を決めます

公開日:2026年10月5日
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媒体を選ぶ前に、知っていただく機会を決めます
中小企業の採用戦略は、どこから? 媒体より先に、知る機会を

求人を出しても応募が少ない。来てくれた方も、条件を見比べて大手へ行ってしまう。社長や総務の方から「うちも採用戦略を立てないといけない」と伺うことが増えました。けれど、いざ戦略と言われると、何から考えればよいのか分からない。媒体を選び直すことなのか、給与を見直すことなのか。

「中小企業の採用戦略は、どこから立てればいいのでしょうか」

中小企業の採用戦略は、媒体選びから始めないほうがうまくいきます。先に決めるのは「誰に来てほしいか」と「その方がどこで、どんな機会に御社を知るか」の2つです。求人は、いま仕事を探している方にしか届きません。通勤圏にお住まいの方の多くは、御社を知らないのではなく、知る機会がなかっただけです。だから戦略の中心は、どの媒体に載せるかではなく、知っていただく機会をどこに、いつ置くかの設計になります。

以下、採用に悩む会社の方が抱えておられる不安を先に見たうえで、戦略を立てる順番と、それを1年、2年と続けて育てていく形を書きます。

1. 採用戦略を考えるとき、多くの方が抱えている不安

採用のご相談を伺っていると、戦略という言葉の手前で、次のような不安を抱えておられることがよくあります。

  1. 条件で大手に勝てない。給与も休日も、比べられたら見劣りする。それなら何で選んでもらえばよいのか。
  2. 媒体を替えても、結果が変わらない。求人サイトを替え、掲載の枠を広げても、応募の数はほとんど動かなかった。
  3. 採用に割ける人がいない。社長や工場長が本業の合間に兼務している。凝った計画を立てても回せる氣がしない。
  4. やっと採れても、続かない。入ってから「聞いていた話と違う」と言われ、数か月で辞めてしまう。
  5. 何年も同じことを繰り返している。毎年求人を出し直し、毎年同じ悩みに戻ってくる。

どれも、まじめに採用へ向き合ってこられた会社ほど抱えている悩みです。そして多くは、戦略が「どの媒体に、いくらで載せるか」の話になっていることから生まれています。

2. 媒体選びから入ると、なぜ同じ所へ戻ってくるのか

求人は、探している方の画面の中でしか戦えない

求人サイトもハローワークも、いま仕事を探している方が見る場所です。そこには同じ地域の求人が並び、見る方は給与や休日の欄を見比べます。条件の表で並べられた時点で、知名度と体力のある会社が有利になります。媒体を替えても、並べられ方が同じなら結果も大きくは変わりません。

選ぶ理由と、辞める理由は同じではない

条件は、悪ければ辞める理由になります。けれど、良いからといって「この会社で働きたい」と選ぶ理由にはなりにくいものです。選ぶ理由になるのは、そこで働く自分の姿を思い浮かべられるかどうか。初日に誰が何を教えてくれるのか、失敗したらどう受け止めてもらえるのか。その中身が見えないまま条件だけで来ていただくと、入ってから「違った」が起きやすくなります。

毎年買い直す形になる

掲載期間が終われば、求人は消えます。翌年また載せ直し、また同じ順番争いに入る。戦略が媒体選びのままだと、社内に何も積み上がらず、毎年ゼロから始めることになります。

3. 中小企業の採用戦略を立てる順番

当社が採用のご相談でご一緒するときは、次の順番で考えます。上から決めていくと、媒体はいちばん最後に、自然に決まります。

  1. 誰に来てほしいかを1人に絞る。未経験で異業種から移る方か、経験のある方か。年齢、住まいの範囲、いまどんな仕事をしているか。具体的な1人を思い浮かべます。
  2. その方が抱える不安を、場面で書き出す。社員の方に「入ったころ、何が不安だったか」を伺うと出てきます。初日、納期、失敗、人間関係、一人前になるまで。
  3. 御社ではその場面をどう受け止めるかを、実際の言葉で集める。先輩が新人に実際にかけた一言は、作った宣伝文句より強く伝わります。
  4. その方が日常のどこで御社を知るかを決める。家のポスト、子どもの学校、地域の催し、取引先の展示会、家族や知り合いからの話。探していないときに、先に会社を置いておく場所です。
  5. 媒体は、その後に選ぶ。知っていただいた方が「調べてみよう」と思ったときに見つかる場所として、求人サイトやハローワークを使います。
  6. 前・中・後で回す。配る前に誰に何を渡すかを決め、配っている間の反応を拾い、配った後に見学や面談へつなぐ。その結果を見て、翌年の話を作ります。

この順番だと、条件の表で大手と並べられる前に、御社で働く姿を知っていただけます。比べられる土俵そのものを変えるのが、中小企業の採用戦略の要です。

4. 実際にあったこと(前田機械さま)

大阪市港区で大型金属の精密切削加工をしておられる前田機械さまは、求人サイトに掲載しても応募がゼロの状態から始められました。

前田機械さまと一緒に作ったのは、求人の原稿ではなく、現場で実際にありそうな「うまくいかなかった日」の物語です。第1話は初日の遅刻から始まり、先輩が受け止めます。工具の場所が分からない新人には、先輩が棚の場所を教えます。第2話は「説明と全然ちがう…」という戸惑いから始まり、「一緒に考えようや」で返します。台詞の元になったのは、社員の方が語ってくださった現場の受け止め方でした。

このマンガをポスティングのチラシとして地域へ配り、ハローワークにも展開しました。媒体を替えたのではなく、探していない方の日常に先に会社を置いた形です。配布から10日で見学の応募が入り、採用に至りました。いまは第2弾を作り、継続して運用しておられます。

うまくいった理由を謙虚に振り返ると、物語の中身が社内から生まれたことが大きかったと思います。だから第2弾でも、社員の方の言葉から次の話を作ることができました。

5. 戦略を回すために、社内で用意しておくこと

  1. 話を聞ける社員の方を2〜3人。入社して数年の方と、教える側の先輩の両方がいると、不安と受け止め方の両方がそろいます。
  2. 見学を受ける段取り。知っていただいた方が「見てみたい」と思ったとき、すぐに日程を返せるようにしておきます。
  3. 反応を記録する場所。どこで知ったか、何が氣になったかを、見学や面接のたびに1行ずつ残します。翌年の話を作る材料になります。
  4. 年に1回、振り返る時間。届いた不安と届かなかった不安を見比べて、次に答える不安を決めます。

6. 戦略は1年で終わらせず、毎年育てていく

不安は1つではありません。初日の不安に答えたら、次は納期の不安、その次は一人前になるまでの不安。物語をつないで答え続けることで、「この会社なら、うまくいかない日も受け止めてもらえそうだ」という像が、地域の中に少しずつできていきます。

当社は、採用の前・中・後を設計して回すプロジェクト運用者として、お客さまと1年以上、できれば何年も続けてご一緒しています。社員の方に入ったころの話を伺い、マンガの物語にし、地域へ届け、反応を見て次の話を作る。お客さまご自身も、その先で読んでくださる地域の方も巻き込みながら進めるので、社員の方が自社の受け止め方を言葉にし直し、社内の空氣も変わっていきます。毎年買い直す採用から、毎年積み上がる採用へ。2期目、3期目と一緒に育てていきます。

よくある質問

採用戦略と採用計画は、何が違いますか?

採用計画は、いつまでに何人を採るかという数と時期の計画です。採用戦略は、その人数をどうやって集め、選んでいただくかの考え方です。中小企業では、計画の数字だけを決めて、戦略が媒体選びのままになっていることがよくあります。

小さな会社でも、戦略を立てる意味はありますか?

あります。むしろ人手が限られている会社ほど、順番を決めておく意味があります。毎年求人を出し直すたびに迷う時間が減り、社員の方の言葉という、ほかの会社がまねできない材料が社内に積み上がっていきます。

給与や休日の条件を上げないと、勝てないのではないですか?

条件を整えることは大切です。ただ、条件は辞める理由を減らすものであって、選ぶ理由にはなりにくいものです。条件を上げられる範囲で上げたうえで、働く姿を先に知っていただく機会を作ると、比べられ方そのものが変わります。

どのくらいの期間で、結果が出ますか?

会社や地域によって違うため、一概には言えません。前田機械さまでは配布から10日で見学の応募が入りましたが、それは物語づくりと配り方の準備があったうえでのことです。1回の配布で判断せず、少なくとも1年は続けて反応を見ることをおすすめしています。

御社の採用戦略をどこから立てるか、一緒に考えます。まずは状況をお聞かせください。お問い合わせはこちら。採用マンガプロジェクトの考え方はこちらでご覧いただけます。

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