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知名度がないから選ばれない?
 中小企業が”第一想起”を取る方法

公開日:2026年7月19日
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知名度がないから、選ばれない? 中小企業が第一想起を取る方法

「うちは知名度がないから、大手さんには勝てない」。中小企業の経営者さまから、最もよくうかがう言葉のひとつです。

結論から申し上げます。知名度は広告費の量ではなく、「相手が探し始める前に、思い出してもらえるか」で決まります。しかも、新規の取引先が候補から外される理由の第1位は、実際に「会社の知名度」でした。裏を返せば、順番さえ変えれば、規模の小さい会社でも取れる——これがこの記事の要点です。

「知名度がない」は、気のせいではありません

まず、痛い数字から。日経リサーチのBtoB購買プロセス調査(n=2,132/2020年5月)では、新規の取引先を候補から外す理由の第1位が「会社の知名度」でした。「価格の妥当性」と同率です。さらに、営業と会うかどうかを決める段階でも、知名度は2番目に効いていました。※新型コロナ第1波の最中に行われた調査です。

技術でも価格でもなく、知られていないことそのもので落ちている。経営者さまの実感は、気のせいではなかったわけです。

では、露出を増やせば知名度は上がるのか

ここで多くの会社が「広告を増やそう」と考えます。ところが、接触を増やすほど好かれるとは限りません。

Montoyaら(2017/Psychological Bulletin 143(5))は、単純接触効果の81論文・268の曲線を再検証し、接触回数と好意の関係は逆U字を描くと報告しました。出せば出すほど好かれるのではなく、どこかで頭打ちになり、やがて逆に働くということです。※何回が最適かは原典に示されていないため、ここでは書きません。

予算の量で殴る勝負は、中小企業にとって不利なだけでなく、そもそも効率が良くない。量でないなら、何で決まるのか

勝負は「探し始める前」に、ほぼ終わっている

タイミングの話です。「BtoBは検討期間が長いから、じっくり追いかければいい」——よく聞く話ですが、事実とは違うようです。

才流の調査(労務担当者編/n=600/2024年11月)では、92.8%が1年以内に発注しており、最多の期間は1か月〜3か月未満でした。しかも動き出すきっかけは法改正やトップダウンなど、こちらでは作れない事情です。そして一次選定で頼られるのは、検索エンジン・紹介、そして第一想起——「そういえば、あの会社」と名前が浮かぶかどうかでした。

つまり、検討が始まってから知ってもらおうとしても間に合わない。探される前に、思い出される形を作っておく。これが中小企業に残された、数少ない有利な戦い方だと考えています。

第一想起を取る3つの手順

  1. 覚えられる単位まで絞る。事業を全部伝えようとすると、何も残りません。「あの会社は〇〇の会社」と1つに絞る。想起は、絞った側から起きます。
  2. 説明ではなく、物語にする。BowerとClark(1969)の実験では、単語を物語の枠に載せて覚えた群の再生率は93%、載せなかった群は13%でした。※言語記憶の実験であり、そのまま「売れる」を意味するものではありません。それでも、人の記憶が物語という形を好むことは示しています。
  3. 間隔をあけて、続ける。Cepedaら(2006/Psychological Bulletin 132(3))の184論文・N=14,811のメタ分析では、まとめて1回学習した場合が36.7%、間隔をあけた場合が47.3%でした。271の比較のうち効果がなかったのは12件のみです。※こちらも言語記憶課題です。一度の大きな露出より、間隔をあけて出し続けるほうが記憶に残りやすい。

小さな実例:前田機械さま

前田機械さまでは、マンガのポスティングチラシから応募が届き、採用に至りました。現在も継続しています。

正直に申し上げると、これは私たちが優れていたという話ではありません。求人サイトに並べば、条件で大手と比べられて埋もれてしまう。比べられる土俵から降りて、先に思い出してもらう形にした——それだけのことです。順番を変えただけで、届く相手が変わりました。

よくある質問

Q1. 知名度を上げるには、やはり広告費が要るのではないですか?

量で勝てるなら、そのとおりです。ただ上に挙げたとおり、接触回数と好意の関係は逆U字で、増やし続ければよいというものではありません。中小企業に現実的なのは、広い層に薄く届けるより、狭い相手に覚えられる形で届けることだと考えています。

Q2. BtoBは検討期間が長いので、急がなくてもよいのでは?

これは事実と異なるようです。才流の調査(n=600)では92.8%が1年以内、最多は1〜3か月でした。検討が始まってからでは遅いと考えたほうが安全です。

Q3. どのくらいで効果が出ますか?

すぐには出ません。第一想起は「相手が動き出したとき」に初めて現れるもので、その時期をこちらで決められないからです。ですので短期の反応より、間隔をあけて続けられる形で設計することをおすすめしています。

Q4. マンガでなくても、記憶に残ればよいのでは?

おっしゃるとおりです。マンガは手段のひとつにすぎません。私たちがマンガを使うのは、前提を絵で共有でき、記憶に残りやすい物語という形に載せやすいからです。自社の言葉で語れる物語があるなら、形式は問いません。

まとめ

知名度は、広告費の総量ではなく思い出される順番の問題です。候補から外される理由の第1位が知名度である以上(日経リサーチ n=2,132)、避けては通れません。けれど絞る・物語にする・間隔をあけて続けるの3つは、会社の規模に関係なく、今日から始められます。

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2026年7月19日

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