
「展示会でマンガを使えば、本当に人は集まるのか?」
結論から申し上げると、マンガが効くのは「足を止める入口」と「持ち帰ったあとに思い出してもらう場面」の2か所です。ブースを派手に飾ることではありません。通路を歩く人が一目で「これは自分の話だ」と気づける入口をつくること。それがマンガの役割です。
なぜ、ブースの前で足が止まらないのか
まず厳しい前提からお話しします。アペルザの調査(n=413)では、来場者が1回の来場で実際に訪問するのは平均17社でした。数百のブースが並ぶ会場で、17社しか回らない。つまり大半のブースは「見られずに終わる」ことが前提になっています。
通り過ぎられた後も楽ではありません。同じ調査では、配布した資料の94.9%は保管されないという結果が出ています。名刺も同様で、Sansanの調査(n=1,272)では57.7%が管理されないまま眠っているとされます。当日その場で熱が生まれなければ、後日の追いかけはほとんど届かない、ということです。
ただ、希望のある数字もあります。ブースを訪問したあと56.6%が検討を開始している(アペルザ n=413)。中に入っていただけさえすれば、半数以上は動き出すのです。だからこそ勝負は「入口」に集中します。
マンガが「入口」として働く理由
通路を歩く来場者は、製品名やスペックを読み込んでくれません。しかし絵とセリフは、読もうとしなくても目に入ります。ここで大事なのは、絵で目立つことではなく、来場者自身の困りごとを絵にしておくことです。「うちの現場と同じだ」と気づいた瞬間に、初めて足が止まります。
もう一つは持ち帰りです。資料の9割以上が保管されない中で、物語は記憶に残りやすい性質があります。Bower & Clark(1969)の実験では、単語をバラバラに覚えた群の再生率13%に対し、物語につなげて覚えた群は93%でした。※言語記憶の実験であり「だから受注できる」という話ではありません。それでも、思い出してもらえる状態をつくることの価値は小さくないと考えています。
展示会マンガをつくるときの4つの順番
- 自社の技術ではなく、来場者の困りごとから書き始める。1コマ目に自社名を出さない勇気が要ります。
- 技術が「誰の何を解いたか」を物語にする。カタログの言い換えでは足が止まりません。
- 通路から見える面に貼る。ブースの奥に貼っても、入った人しか読めません。
- その場で渡せる形にする。冊子でもA5一枚でも構いません。持ち帰った後の再会が目的です。
11回出展してみて、分かったこと
私たちはフランスのジャパンエキスポに11回出展してきました。正直に申し上げると、初期は「絵で目立てば人は来る」と思っていました。実際は違いました。目立って立ち止まった方も、こちらが用意した説明を始めた途端に離れていきます。
変わったのは、来場者の困りごとを描いたページを一番外側に置いてからです。足を止めた方が自分から話し始めてくださるようになりました。これはマンガの力というより、こちらが話す順番を変えただけだと思っています。マンガはその順番を強制してくれる道具でした。なお、才流の調査(n=300)では出展企業の9割超が出展を継続しています。続けている会社ほど、この「順番」を掴んでいるように感じます。
よくある質問
Q1. マンガは何ページ必要ですか?
通路向けは1〜2ページで十分です。長いほど読まれません。持ち帰り用は4〜8ページ程度が読み切っていただける現実的な分量です。
Q2. BtoBの地味な商材でもマンガになりますか?
なります。むしろ地味な商材ほど、困りごとが具体的で物語にしやすい傾向があります。派手さではなく「その現場を知っている」と伝わるかどうかが分かれ目です。
Q3. 制作にどのくらい時間がかかりますか?
ヒアリングから初稿まで数週間、修正を含めて1〜2か月を見ていただくことが多いです。展示会の日程が決まっているなら、早めにご相談いただくほど余裕が生まれます。
Q4. 展示会が終わった後も使えますか?
使えます。むしろ展示会だけで終わらせるのはもったいないと考えています。Webサイト・営業資料・採用にも展開されている企業さまが多いです。
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