
採用サイトを作り込んだのにアクセスが増えないのは、サイトの出来が悪いからではありません。採用サイトは「待ちのメディア」で、そこへ人を連れてくる「入口」を別に設計しない限り、誰もたどり着かないからです。
この記事では、なぜ見られないのかを3つの理由に分け、入口をどう作るかまでを順にご説明します。
1.数十万円かけたのに、アクセスがほぼゼロ
採用サイトをリニューアルした。プロのカメラマンに工場を撮ってもらい、社員インタビューも載せた。それなのに、解析画面の数字はほとんど動かない——中小企業のご担当者から、よくいただくご相談です。
ここで多くの会社が「デザインが悪かったのか」「もっとコンテンツを足すべきか」と、サイトの中身をさらに作り込む方向へ進みます。ですが、たいていの場合、問題はサイトの外側にあります。
2.見られない3つの理由
理由1.社名で検索する人は、もう志望者だけ
採用サイトに検索でたどり着くのは、すでに貴社を知っている人です。ところが知らない会社の社名は、誰も検索しません。つまり検索経由の流入は、もともと母数が限られています。
理由2.求人媒体からの導線が弱い
求人サイトの掲載枠から自社の採用サイトへ誘導できているケースは多くありません。応募者は媒体の中で他社と並べて比較し、そのまま媒体内で完結してしまいます。
理由3.潜在層には、存在すら知られていない
いま転職を考えていない人——採用市場の大多数——にとって、貴社の採用サイトはインターネットの海の一滴です。この層は求人を探していないので、求人媒体にも検索にも現れません。
3.発想の転換——サイトは「受け皿」、入口は別に作る
採用サイトの役割は、興味を持った人の背中を押す「受け皿」です。受け皿は、水がそこへ流れてきて初めて仕事をします。
だから先に必要なのは、興味ゼロの人を受け皿まで連れてくる「入口」のほうです。私たちがお勧めしている入口は、次の3つです。
- マンガポスティングチラシ——通勤圏の自宅ポストに直接届き、QRコードから採用サイトへ。求人媒体にも検索にも現れない潜在層に、唯一こちらから届けられる手段です
- SNSでのマンガ連載——1〜2コマの社内エピソードを継続して投稿し、プロフィール欄から採用サイトへ
- 求人媒体×マンガ——媒体の自由記入欄にマンガを載せ、「続きは採用サイトで」という動線を作る
4.入口にマンガを使う理由
入口の仕事は、まず読まれることです。文字だけの広告は「自分に関係ない」と判断された瞬間に飛ばされますが、マンガは目に入った時点で読み始めてしまいます。この読まれる力が、興味ゼロの人を受け皿まで運びます。
そしてもう一つ、入口から受け皿まで同じキャラクター・同じ物語で貫くことが効きます。チラシで見た人物が採用サイトにも登場すれば、たどり着いた瞬間に「さっきの会社だ」とつながり、離脱が減ります。
ただし、繰り返し目に触れさせれば触れさせるほど好かれる、という単純な話ではありません。単純接触効果を81論文・268曲線で再検証した Montoya ら(2017年・Psychological Bulletin)は、接触と好意の関係が逆U字を描くことを報告しています。出し続けることそのものが目的化すると、かえって逆に働く局面がある——という前提で運用を設計する必要があります。
5.採用は「条件で呼ぶ」から「中身を知ってから応募する」へ
そもそも採用は、条件を並べて呼ぶ時代から、会社の中身を知ってから応募する時代に変わりました。給与や休日といった条件は、比較されれば規模の大きい会社に勝てません。
応募の決め手になるのは、その会社で自分が働いている姿を、ありありと想像できるかどうかです。入口で見せるべきは募集要項ではなく、そこで働く人の日常の場面ということになります。
6.入口をつくった会社で、いま起きていること
前田機械さま(鉄工業)は、求人サイトに掲載しても応募がゼロという状態から始まりました。現場スタッフ2名・営業1名の採用が目標で、狙いは30〜40代の転職層です。
そこで採用マンガをポスティングチラシとして地域へ配布し、あわせてハローワークにも展開しました。結果として、チラシ配布後10日間で見学の応募が入り、その後採用に至っています。現在は採用マンガの第2弾を継続して運用中です。
求人サイトという「受け皿」は最初から用意されていました。変えたのは、そこへ人を連れてくる入口だけです。
よくあるご質問
Q1.採用サイトはリニューアルしないほうがいいのでしょうか?
いいえ、受け皿としての採用サイトは必要です。順番の問題で、入口の設計を先に、あるいは同時に進めることをお勧めしています。
Q2.SNSだけでは足りませんか?
SNSは有効な入口の一つですが、届く相手はアカウントを見ている層に限られます。通勤圏に住む潜在層へ確実に物理的に届く点では、ポスティングが補完関係になります。
Q3.ポスティングはどのくらいの範囲に配るのですか?
通勤できる距離が基準です。全国区で募集するより、労使双方にとって近場のほうが定着の面でも噛み合います。
Q4.効果が出るまでどのくらいかかりますか?
前田機械さまの場合は配布後10日で応募が入りましたが、地域・職種・配布数によって変わります。1回で終わらせず、継続して運用する前提でご検討ください。
Q5.いまの採用サイトはそのまま使えますか?
使えます。入口と受け皿で同じキャラクター・同じ物語をそろえていただくと、到達したときの違和感が消え、離脱が減ります。
採用マンガについて
最後に、ひとつだけうかがわせてください。
採用サイトを作ったあと、そこへ来る方はどこから来ていますか。
経路が浮かばないなら、足りないのは中身ではなく入口です。いまの流入経路を1つ教えてください。
貴社の通勤圏に、どんな入口をつくれるか。事例を交えてご説明しています。
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応募ゼロから始まった会社が、実際に何を配り、何が起きたのか。
参考実績
参考ブログ
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