
「フランスとベルギーは見た。地続きのスイスはどうなのだろう。ドイツ語圏だと思っていたが、出られる場所はあるのか」
ローザンヌです。スイスのフランス語圏にある湖畔の街で、日本文化の催しが2つ開かれています。春のポリマンガ(Polymanga)と、冬のジャパン・インパクト(Japan Impact)です。このうちポリマンガには、これまで見てきたフランスの催しに無い特徴が1つあります。申し込みの入口が、作家と事業者ではっきり分かれていることです。公式サイトで確認できる事実だけを、順に並べます。
1. ポリマンガは2026年4月3日から6日、4日間の開催です
公式サイトの全ページ上部に、開催日がそのまま出ています。「3-6 avril (Pâques) à Lausanne」。カッコの中はイースター(復活祭)です。
- 開催日 2026年4月3日から6日の4日間
- 開催地 ローザンヌ(スイス・フランス語圏)
- 回数 20回目
- 時期 イースターの連休に合わせている
- 公式サイトの言語 フランス語・英語・ドイツ語の3つ
4日間というのは、これまで見てきた催しの中で最長です。ナントもブリュッセルの秋も2日間、パリのジャパンエキスポでも4日間ですから、規模の割に会期が長いことになります。イースターの連休に重ねているためです。搬入と滞在の日数が増えるぶん、旅費と人件費は他の催しより多く見ておく必要があります。
2. 会場は4つの区画に分かれています
出展者の一覧ページに、区画の名前がそのまま出ています。
- アーティスト・ホール(西)
- 展示ホール(西)
- 展示ホールXXL(南)
- 庭
アーティストのホールと、事業者の展示ホールが、物理的に別の建物に置かれています。これは出展を考える側にとって意味があります。どちらの区画に入るかで、目の前を歩く人の目的が変わるからです。
3. 掲載は、作家79組に対して事業者34社です
公式サイトには、アーティストの一覧と出展者の一覧が別々に公開されています。2026年8月27日の時点で、掲載されている数は次のとおりです。
- アーティスト一覧 79組
- 出展者(事業者)一覧 34社
作家のほうが倍以上です。ブリュッセルのメイド・イン・アジアでも、品目別の内訳でアート・装飾が125に対してコミック・マンガ・書籍が16でしたから、方向は同じです。ヨーロッパの日本文化の催しは、企業の展示会というより、作り手の市場に近い形をしています。
ただしポリマンガの事業者34社の中身を見ると、フィギュアや物販の店だけではありません。フランスの出版社、語学留学の事業者、美術学校、赤十字国際委員会といった名前が並んでいます。物を売る以外の目的で立っている出展者が、実際にいるということです。
4. 申し込みの区分は、最初の選択で分かれます
ポリマンガの申し込みは、公式サイトの問い合わせフォームからです。最初に選ぶ区分が、次のように分かれています。
- 作家・イラストレーター
- 事業者(Exposant Pro)
- ライブ・アニメーション・ワークショップ
- プレス・インフルエンサー
- コスプレ
- 運営スタッフ
日本の会社が出展を検討する場合は、2番の事業者を選ぶことになります。フォームには会社名、国、サイトのほかに、資料を5点まで添付できる欄があります。最初の連絡で自社の絵を見てもらえる形になっている、ということです。
料金と区画の広さは、公式サイトには掲載されていません。相場を推測して書くことはしません。フォームから直接お尋ねいただく形になります。
5. 冬にはもう1つ、ジャパン・インパクトがあります
同じローザンヌで、2月にも催しがあります。ジャパン・インパクトです。公式サイトが公開している数字を、そのまま並べます。
- 開催日 2026年2月14日と15日の2日間
- 来場者 12,000人以上
- ボランティア 300人以上
- ワークショップ等 50以上
- 創設 2009年
- 運営 ポリジャパン協会(学生の団体)
運営が学生の団体である点は、押さえておく価値があります。300人を超えるボランティアで動かしている催しですから、担当者が毎年替わります。前の年に話した相手が、翌年はいません。だからこそ、続けて出る側の記録が効いてきます。
6. ローザンヌを選ぶ理由と、選ばない理由
正直に両方書きます。まず選ばない理由からです。
- 規模が小さい。パリのジャパンエキスポは出展者800社を超えるが、ポリマンガの事業者は34社
- 会期が4日間と長く、滞在費と人件費がかさむ
- スイスは物価が高く、宿泊費が他国より重い
次に選ぶ理由です。
- 事業者が34社しかいないということは、その中で埋もれにくいということでもある
- 公式サイトがフランス語・英語・ドイツ語の3言語で、英語でのやり取りが通りやすい
- ローザンヌはフランス語圏で、パリやブリュッセルと同じ言葉で資料が使い回せる
- 春(4月)と冬(2月)に1つずつあるので、フランスの秋の催しと時期がぶつからない
弊社自身は、フランス・JAPAN EXPO等に11回出展してきました。11回のあいだに分かったことを、ひとつだけ申し上げます。初回で成果が出た年はありません。同じ場所に続けて立っていることが伝わったときに、相手のほうから声がかかりました。担当者が毎年替わる催しほど、この効きかたが大きくなります。
よくあるご質問
Q1. 出展料はいくらですか。
公開されていません。2026年8月27日の時点で、公式サイトには申し込みの区分と問い合わせフォームがあるだけで、料金も区画の広さも掲示されていません。フォームから直接お尋ねいただく形になります。相場の推測は、この記事では書きません。
Q2. 日本の会社でも出られますか。
申し込みの区分に「事業者」があり、日本からの出展を排除する記載はありません。フォームには国を書く欄があります。公式サイトは3言語で、英語でのやり取りが可能です。
Q3. 作家の区分と事業者の区分、どちらで申し込むべきですか。
会社として出るなら事業者です。ただし、御社のマンガを描いた作家ご本人が一緒に行かれるなら、作家の区分にも意味があります。アーティスト・ホールは、その場で描いている人を見に来る人が歩く場所だからです。目的が「知ってもらう」なら、人がいる区画を選ぶほうが効きます。
Q4. ポリマンガとジャパン・インパクト、どちらを選べばいいですか。
公開されている数字で選ぶならジャパン・インパクトです。来場者12,000人以上と公式が明記しています。ポリマンガは来場者数を公表していません。ただしジャパン・インパクトは2日間で、出展の区分もポリマンガほど細かく分かれていません。会社として腰を据えて出るならポリマンガ、まず様子を見るならジャパン・インパクトという選び方になります。
Q5. 4日間も社員を出せません。
全日程に立つ必要はありません。ただし、その場合こそ「立っていない時間にも働くもの」が要ります。読んで持ち帰れるマンガは、担当者が別の商談に入っている間も、通路を歩く人に向かって同じ話をし続けます。会期が長い催しほど、この差が出ます。
最後に、ひとつだけうかがわせてください。
御社が海外の催しに出るとき、ブースに立つ人が離れている時間、そこで何が語り続けていますか。
いま海外向けにお使いの配布物を1点、ご相談のときにお持ちください。
海外向けマンガの実際の取り組みをご覧いただけます。国際マンガの事例を見る
小さい催しが不利なのではありません。埋もれない場所を選べるかどうかです。
参考ブログ
参考実績


