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覚えてもらえない?
キャラが会社の顔になる

公開日:2026年7月15日
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キャラが会社の顔になる
覚えてもらえない? キャラが会社の顔になる

名刺も渡した、パンフレットも置いてきた。それでも半年後、相手は御社を思い出せない。

この「覚えてもらえない」は、説明が足りないからではありません。思い出すための取っ手が、社名の漢字だけしか無いからです。会社の顔になるキャラクターは、その取っ手をつくります。以下は、派手な知名度づくりの話ではなく、取引圏と採用圏の中で一番手に思い出されるための、地味で確実な設計の話です。

1. 「良い会社なのに、思い出されない」の正体

相手の頭の中で、御社は同業他社と並んで置かれています。技術力も価格も、比べてみないと差が分かりません。そして人は、比べる前に思い出せた会社の中から選びます。つまり勝負は、検討が始まる前に半分ついています。

この「思い出せる状態」が実際に効いていることは、購買側の調査にも表れています。日経リサーチが企業の購買担当者に行った調査(有効回答2,132名、2020年5月)では、新規取引先を検討するときの却下理由の第1位が「会社の知名度」で、価格の妥当性と同率でした。営業と会うかどうかを決める段階でも、知名度は2番目に来ています。なおこの調査はコロナ第1波のさなかに行われたものですので、そのまま現在に当てはめることはできません。それでも、知られていないことが検討の入口で効いている、という構造は変わっていないと考えています。

ここで効くのが、名前ではなく絵の記憶です。社名は同業と似た漢字の並びになりがちですが、キャラクターは他社と重なりません。「あの、猫のロボットの会社」と呼ばれれば、相手は社名を忘れていても御社にたどり着けます。

2. 一度の強い印象より、繰り返しの小さな接触

心理学には単純接触効果(ザイアンス/R.B. Zajonc, 1968年)という知られた現象があります。特別な体験でなくても、繰り返し目に触れたものに人は好意的な評価を持ちやすい、というものです。

ここが中小企業にとって希望のある話です。一度の大きな広告費で強く当てにいく戦い方では、体力のある会社に勝てません。けれど同じ顔を、日常の接点に置き続けることなら、規模に関係なくできます。年に一度の派手な露出より、毎月届く一枚のほうが、記憶には残ります。

ただし、正直に添えておくことがあります。この効果は「出せば出すほど好かれる」ものではありません。Montoyaらが2017年に発表した再検証(81論文・268の曲線を対象)では、接触と好意の関係は逆U字を描くと報告されています。ある地点を超えると、好意は下がりはじめます。何回が最適なのかはこの研究にも書かれていませんので、弊社も回数の目安は申し上げません。申し上げられるのは、同じ顔を出し続けることと、同じ内容を繰り返し送りつけることは別だということです。顔は変えず、中身は毎回変える。ここを取り違えると、覚えられる前に飽きられます。

3. キャラを「会社の顔」にする4つの置き場所

  1. 名刺と封筒。最も確実に相手の手に渡り、机に残ります。ロゴの横に小さく置くだけでも、次に会った時の入口になります
  2. SNSのアイコンと投稿。タイムラインは流れます。文章が違っても顔が同じなら、流れの中で同じ会社だと分かってもらえます
  3. 車両・作業着・現場の掲示。地域で走る車や現場の囲いは、毎日誰かの目に触れる自社メディアです。取引圏が地元なら、ここが一番効きます
  4. 採用と展示会の配布物。初対面の相手に、社名より先に覚えてもらう入口になります。持ち帰られた紙が捨てられても、顔は残ります

逆に効きにくいのは、キャラを作って終わりにすること、媒体ごとに絵柄を変えること、そして何の会社かが伝わらない可愛さだけを追うことです。目的は人氣者になることではなく、御社の仕事と結びついた形で思い出されることです。

4. 展示会の現場で、顔が先に立った記録

株式会社美華道さまの記録を、そのままお伝えします。床面サインの特殊施工「スマートシグナル」を手がけておられる会社さまで、自社マスコット「シグナ・ミカ」を弊社で制作し、ブースの設計から運用までご一緒しました。

第2回鉄道技術展・大阪2026(2026年5月27日から29日・インテックス大阪)での実測です。アンケートの回収が459件。前回出展された関西物流展の約12.8倍でした。うち前向きなご回答が164件で35.7パーセント、会期中に出た見積が19件。お話しした相手の75.5パーセントが、JRや上場企業などの大企業層でした。

正直に申し上げると、この数字がマスコットだけの成果だとは申し上げられません。ブースの構成も、当日立たれた方の動きも、製品そのものの力も重なっています。それでも1つ確かなことがあります。通路を歩く方が足を止める瞬間、先に目に入っていたのは社名の文字ではなく、顔でした。通路から見て何屋なのかが読めないという状態を、顔が先に解いていました。

5. 私たち自身も、同じことを試しています

弊社は自社キャラクターのアマンディーヌを、ブログのアイキャッチからSNS、資料の表紙まで同じ顔で使い続けています。海外でも、フランスのJAPAN EXPO等のマンガ関連イベントへの出展を、計11回重ねてきました。毎回ブースの見せ方は変えても、顔だけは変えない。

続けて分かったのは、顔を変えないことの難しさが、絵の技術ではなく運用の側にあるということでした。担当が替わる、媒体が増える、そのときどきで少しずつ描き方がずれる。1回のずれは誰も氣づきませんが、半年分を並べると別人になっています。弊社は自社のキャラクターについて、目の形・髪の巻き・衣装・色の基準を1枚の正典として持ち、毎回それと突き合わせてから世に出しています。派手な結果を約束するものではありませんが、顔を変えないこと自体が資産になるというのが、続けてきて感じていることです。

6. 何から始めるか

新しい媒体を増やす前に、いますでに人目に触れている場所を数えてください。名刺、封筒、社用車、作業着、SNSのアイコン、見積書の表紙。ここに同じ顔が載っていない状態で新しい露出を買っても、接触は分散します。

順番としては、次のようになります。

  1. いま毎日人目に触れている場所を書き出す
  2. その全部に載せられる形(縦横・単色・小さいサイズ)で顔を作る
  3. 色と線の基準を1枚にまとめ、社内で共有する
  4. 載せる。ここまでは費用がほとんどかかりません
  5. そのうえで、足りない接点を新しく作るかどうかを考える

よくあるご質問

Q1. 中小企業でも効果はありますか。

全国区で有名になる必要はありません。取引圏・採用圏の中で一番手に思い出されれば十分です。範囲を狭く決めるほど、少ない接触回数で届きます。

Q2. 何から始めればよいですか。

新しい媒体を増やす前に、いま毎日人目に触れている場所、名刺・封筒・SNSアイコン・車両に同じ顔を載せるところからです。上の6章の順番のとおりに進めると、費用をかける判断は最後になります。

Q3. ゆるキャラを作ればよいのですか。

可愛さより「何の会社か」が伝わるかを優先してください。業種や仕事の中身から離れた見た目は、覚えられても仕事に結びつきません。判断の基準は、その絵を見た方が御社の仕事を説明できるかどうかです。

Q4. 社内の「遊びに見える」という声にどう答えますか。

目的は認知の一番手を取ることだと共有するのが早道です。指標も「かわいいか」ではなく「取引先が社名を言わずに御社を説明できるか」に置きます。この指標なら、営業の方にも現場の方にも同じ言葉で説明できます。

Q5. 一度作った顔を、途中で変えてもよいですか。

お勧めしません。変えた時点で、それまでに積んだ接触が別の会社のものとして扱われます。どうしても直す必要があるときは、輪郭と色は残したまま、線の整理にとどめてください。自社キャラクターは本当に必要かという記事に、作る前に決めておくことをまとめています。

相手が、御社を何と呼ぶか

取引先や求職者が、御社を誰かに紹介する場面を想像してみてください。社名がすぐ出てこなかったとき、代わりに何と言うでしょうか。その一言を用意しておくことが、会社の顔をつくるということです。

最後に、ひとつだけうかがわせてください。

御社の取引先の方が、社名を思い出せないまま御社を誰かに説明するとしたら、何と言うでしょうか。

その一言が出てこないとお感じでしたら、そのことをご相談のときにお聞かせください。新しい絵を作る話ではなく、いま触れている接点を数えるところから始めます。

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すでに出ている費用に、何が返っていますか。

求人サイトの掲載料、展示会の出展料、広告費。どれも、もう払っている費用です。その額に対して何人採れたのか、何件が商談になったのか。御社の数字を入れると、そのまま出ます。会社名もお名前も要りません。

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自社らしい顔づくりを考えてみたい方は、キャラクター・ショートアニメ制作の事例をご覧ください。

覚えてもらえないのは、説明が足りないからではありません。思い出すための取っ手が、社名の漢字だけしか無いからです。

キャラが動くと、接点はどう変わるか。

参考実績

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