
「うちみたいな会社が、海外なんて」——そう思って手を止めているうちに、国内の市場は静かに縮んでいきます。
結論から言えば、日本の中小企業にとって「マンガ」は、そのまま海外への通行証になります。言葉が話せないから無理、ではありません。
国内市場は、確実に縮む
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、日本の総人口は2020年の1億2,615万人から、2070年には8,700万人へ。約3割減ります。買い手の中心である生産年齢人口(15〜64歳)は2070年に4,535万人、総人口に占める割合は59.5%から52.1%へ低下します。(出典:厚生労働省 資料/社人研 令和5年推計)
これは景気の波ではなく、すでに生まれた人の数から決まっている確定事項です。国内だけで戦い続ける限り、パイは縮み続けます。
一方、日本のマンガ・アニメは海外で伸びている
経済産業省の資料によれば、日本発コンテンツの海外売上は2023年で約5.8兆円。この10年で約3倍に成長し、半導体産業や鉄鋼産業の輸出額を超え、自動車産業に次ぐ規模になりました。政府は2033年に20兆円を目標に掲げています。(出典:経済産業省 エンタメ・クリエイティブ産業戦略)
アニメに限っても、2024年の産業市場は3兆8,407億円で過去最高。海外市場2兆1,702億円が、国内市場1兆6,705億円を上回りました。(出典:日本動画協会 アニメ産業レポート2025)
注目すべきは、経産省が「コンテンツ産業の海外のバリューチェーンやファン層が、他の消費財産業にとっての『海外展開プラットフォーム』として機能していく」と明言していることです。マンガは、あなたの商材が海を渡るための滑走路になり得る、と国が言っています。
「言葉の壁」は、思ったより低い
査読論文のレビューでは、絵を文章と密接に結びつけると、文章だけの場合に比べて注意と記憶が著しく高まることが確認されています。しかも読み書きの能力が低い人ほど、恩恵が大きい。(出典:Houts et al., 2006)
絵が主役なら、翻訳する文字は最小限で済みます。言葉が達者でないことは、マンガにとって不利になりません。
費用と実務の壁も、思うより低くなっています。JETROのジャパン・ブースには中堅・中小企業料金があり、これは一般料金のちょうど半額(メゾン・エ・オブジェ パリ2027年1月展の場合、基本出品料9平米で525,000円/一般1,050,000円)。しかも参加費には日本語・フランス語の補助要員(ブースアシスタント)の雇用費が含まれます。(出典:JETRO ジャパン・ブース募集要項)
段ボール工作キットの会社が、パリで成約した
香川県東かがわ市のhacomo株式会社——段ボールの工作キットを作る会社です。同社はJETROの支援を受け、2016年にパリの見本市「メゾン・エ・オブジェ」のジャパンパビリオンへ出展。その結果、欧州のミュージアムショップなどと成約し、輸出が始まりました。翌2017年に2回目の出展を決め、SNS活用も功を奏してリピートオーダーも受注しています。(出典:JETRO 活用事例)
大事なのは、最初から上手くいったわけではないことです。同社は当初、国内開催の海外バイヤー商談会に参加したものの「価格帯が合わない」「商談がスムーズにいかない」等で成約に結びつきませんでした。それでも続けた先に、パリでの成約がありました。
中小企業の直接輸出企業の割合は21.0%にとどまります。だからこそ、動いた会社に空きがあります。(出典:2024年版中小企業白書)
まとめ
国内は2070年に8,700万人へ縮む。一方でコンテンツの海外売上は5.8兆円まで伸び、国が「他産業の海外展開プラットフォーム」と位置づけている。絵は識字の壁を越え、JETROは中小料金を半額に設定し、通訳補助まで参加費に含める。段ボールの工作キットがパリで売れたのなら、あなたの商材にも道はあります。
よくあるご質問
Q. 英語もフランス語も話せませんが?
A. 絵が主役なので翻訳は最小限で伝わります。JETROのジャパン・ブースなら、日仏語の補助要員費が参加費に含まれる展示会もあります。
Q. 何から始めればいいですか?
A. まず1本、海外の相手に向けた物語をつくることです。商品説明ではなく「なぜこれを作っているのか」から始めると、国境を越えます。
Q. 一度出せば成果が出ますか?
A. hacomo社も1回目の商談会では成約していません。続けた2回目でリピートが生まれています。単発ではなく運用で考えてください。
世界に届くマンガ、無料でご相談ください。
