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毎回、違う会社に見えていませんか?
海外で覚えられるブランディングの順番

公開日:2026年7月29日
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海外で覚えられるブランディングの順番
毎回、違う会社に見えていませんか?海外で覚えられるブランディングの順番

「海外の展示会に何度も出ているのに、次の年には覚えられていない」

結論から申し上げます。多くの場合、足りないのは露出量ではなく「何者として覚えられたいか」を決めていないことです。出るたびにパンフレットも見せ方も変わっていれば、相手の中では毎回はじめて会う会社になります。海外ブランディングは、出展回数ではなく同じ姿で繰り返し現れることから始まります。

海外では、まず「知らない会社」から始まる

日本国内でも、知名度の壁は数字に出ています。日経リサーチのBtoB購買プロセス調査(n=2,132)では、新規取引先を却下する理由のトップが「会社の知名度」で、価格の妥当性と同率でした。営業と会うかどうかを決める段階でも、知名度は2番目に効いています。※国内企業を対象とした調査です。

国内でこれです。海外では、社名も業界での評判も、ほぼゼロから始まります。技術力があっても、それを判断する材料が相手の手元にない。「良いかどうか」の前に「何の会社か」で止まっている——これが実際に起きていることだと考えています。

出すほど好かれる、ではありません

ここで多くの会社が「もっと出そう」と考えます。しかし、単純接触効果(見る回数が増えるほど好意が増す)を81論文・268の曲線で検証したMontoyaら(2017)の再検証では、その関係は右肩上がりではなく逆U字でした。出せば出すほど好かれ続けるわけではない、ということです。

では何が効くのか。記憶の側に、はっきりした答えがあります。Cepedaら(2006)の分散効果メタ分析(184論文・254研究・N=14,811)では、まとめて1回学んだ場合の再生率が36.7%だったのに対し、間隔をあけて繰り返した場合は47.3%。271の比較のうち効果がなかった・逆効果だったのはわずか12件で、かなり頑健な結果です。※言語記憶の実験であり、そのまま「受注できる」を意味するものではありません。

つまり、量を増やすのではなく間隔をあけて、同じものを、繰り返す。海外ブランディングで効くのはこちらの設計です。

覚えられる会社になるブランディングの順番

私たちがお客さまと一緒に踏んでいる順番は、次の5つです。

  1. 「何の会社か」を一文で決める。製品名でも技術名でもなく、相手のどんな困りごとを解く会社なのかを一文にします。ここが決まらないまま翻訳に進むと、資料ごとに違う会社になります。
  2. その一文を、絵と物語の形にする。スペック表は読まれる前に判断されますが、物語は読まれます。van Laerら(2014)の76論文・132効果量のメタ分析では、物語に引き込まれるほど感情(ρ=.57)と態度(ρ=.44)が動き、批判的な反論は減る(ρ=−.20)と報告されています。
  3. 主人公を自社にしない。海外の来場者にとっての主人公は、自分の現場です。自社が主役の物語は、どれだけ丁寧に訳しても他人の話のままです。
  4. 絵柄・キャラクター・色を変えない。展示会、Webサイト、現地代理店への説明資料、SNS。窓口が違っても同じ姿で現れることが、そのまま「思い出せる」につながります。
  5. 間隔をあけて、同じものに再会させる。出展の年だけ発信して、あいだの11か月が空白になっていないか。一度に多く出すより、細く長く続けるほうが記憶には効きます。

フランスJAPAN EXPO等11回出展で、変えたこと

私たちはフランスJAPAN EXPO等のマンガ関連イベントに計11回出展してきました。正直に申し上げると、最初の数回は毎回ブースの見せ方を変えていました。前回より良くしようとしていたつもりが、来場者から見れば毎回はじめて見るブースだったわけです。

変えたのは、見せ方を固定したことだけでした。同じキャラクター、同じ色、同じ入口の問いかけ。「去年も見た」と言っていただけるようになったのは、新しいことをやめてからでした。私たちが優れていたという話ではなく、11回かけてようやく順番に氣づいたという話です。

付け加えると、Gartnerの調査(n=632・2024年8〜9月)では73%が「的外れな発信を送ってくる会社を積極的に避ける」と答えています。※海外を対象とした調査です。数を打つほど嫌われる余地もある、ということでもあります。

よくある質問

Q1. ブランディングは、まず英語のパンフレットからでしょうか。

翻訳より先に、日本語で「何の会社か」の一文を決めることをお勧めしています。この一文が無いまま訳すと、訳文の質に関係なく伝わりません。順番を逆にすると作り直しになります。

Q2. キャラクターを使うと、企業として軽く見られませんか。

ご懸念はもっともです。実際には、キャラクターそのものより扱っている題材が真面目かどうかで受け取られ方が決まります。現場の課題を正面から扱っていれば、絵の形式が軽さにはつながりにくいと感じています。

Q3. 一度作ったら、何年くらい使えますか。

絵柄とキャラクターは変えないことが前提なので、数年単位で使い続けていただくものだとお考えください。むしろ途中で変えてしまうと、それまでの蓄積が切れます。追加するのはエピソードの側です。

Q4. 出展の予定がなくても意味はありますか。

あります。Webサイト、現地代理店やディストリビューターへの説明、越境ECの商品ページでも同じように働きます。むしろ出展前に配れる状態にしておくと、当日の会話が変わります。

最後に、ひとつだけうかがわせてください。

去年の展示会で配った資料と、今年の資料。並べたとき、同じ会社に見えますか。

見えないなら、変えるのは資料の質ではなく、毎回は変えないと決める一文のほうです。去年と今年の資料を1枚ずつお持ちいただければ、どこが毎回変わっているかを一緒に見ます。

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2026年7月29日

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