
「南仏の春はトゥーロン、冬はマルセイユ。では秋は、どこへ行けばいいのだろう」
ボルドーです。フランス南西部のワインの街で、アニマジア(Animasia)というアジア文化の催しが毎年10月に開かれています。2026年は10月10日と11日の2日間、ボルドー見本市会場で開かれます。公式サイトに出ている事実だけを、順に並べます。
1. 開催は2026年10月10日と11日、会場はボルドー見本市会場です
公式サイトのトップに、はっきりとこう出ています。「Rendez-vous les 10 & 11 Octobre」。土曜と日曜の2日間です。会場と主催は次のとおりです。
- 開催日 2026年10月10日(土)と11日(日)
- 会場 ボルドー見本市会場(Parc des Expositions de Bordeaux) 入口はPorte K
- 所在地 33300 Bordeaux フランス
- 主催 Lenno(ボルドーの企画会社)
- 運営 Lennoのチームが、ボルドー市とMandoraの有志とともに運営
見本市会場である、という点は先に押さえておきたいところです。会議場やホールを借りて開く催しとは、通路の幅も、什器の持ち込み方も、搬入の段取りも変わります。フランスの日本文化イベントは会議場で開かれることが多く、見本市会場を使う催しは限られます。
2. 2005年から続く、フランス南西部で最大級の催しです
主催のLennoは、アニマジアを2005年から続けてきたと公表しています。プロも、公的機関も、団体も、一般の来場者も、同じ場所でアジアの文化を分かち合う場、という位置づけです。
2025年10月11日と12日に開かれた回が第21回でした。したがって2026年の回は22回目にあたります。なお公式サイトのトップページには、前の回の文言が「21ème édition」のまま残っている箇所があります。回数を記事や資料に書くときは、直前に必ず公式で確かめてください。
規模について。2025年の第21回は、2日間でおよそ3万人が、およそ16,000平方メートルのブースを見て回ったと地元メディアが伝えています。これは主催者側が出した数字を受けたもので、第三者が数えた公的な統計ではありません。そのうえで比べる材料をお出しすると、リヨンのジャパンタッチが45,000人、トゥーロンのマング・アジュールが22,000人です。ボルドーはその中間で、南西部では最大級にあたります。
3. 入場料は公式に出ています
出展を考えるとき、来場者がいくら払って入るのかは、ブースの作り方にそのまま効きます。前売(2026年9月30日23時59分まで)の料金は次のとおりです。
- 2日通し券 大人 25ユーロ
- 2日通し券 ヤングカード所持 22ユーロ
- 2日通し券 7歳から11歳 12ユーロ
- 2日通し券 ファミリー(大人2名と子ども2名) 65ユーロ
- 1日券 大人 19ユーロ
- 1日券 ヤングカード所持 17ユーロ
- 1日券 7歳から11歳 8ユーロ
- 1日券 ファミリー 45ユーロ
- 6歳未満 無料。障がいのある方には付き添い1名の無料枠あり
ヤングカードは、ボルドー市が26歳未満に無料で配っている身分証です。若い層が安く入れる設計になっています。
ここから読み取れることが1つあります。大人が25ユーロを払って2日通しで来る催しだ、という点です。ふらりと通りかかった人ではなく、日程を空けて来た人が歩いています。声をかける相手の前提が、街頭の配布とはまったく違います。
4. 出展の区分は7つ、料金は公開されていません
公式の出展者ページに書かれている対象は、次の7つです。
- 商業者(物販の事業者)
- 若手クリエイター
- イラストレーター
- ファンジン
- 作家・著者
- 出版社
- 協会・団体
申し込みは、公式サイトの出展者ページにあるフォームに、扱う商品の内容を書いて送る形です。連絡先はcontact@animasia.orgです。料金表は公開されていません。フォームを送ると商業条件が返ってくる、という案内になっています。
もうひとつ、日程の注意があります。2026年の回について、公式は「若手クリエイターとプロクリエイターの事前登録は終了」と掲示しています。開催の半年以上前に、この区分の枠は閉じるということです。出たい年があるなら、前の年の秋には動き出しておく必要があります。
推測の金額は、この記事には書きません。書けば、それが独り歩きするからです。
5. 白書が記録した、フランスの「地方への広がり」
弊社代表の松山は、デジタルコンテンツ協会の白書でフランスのマンガ事情を担当し、現地取材を重ねてきました。2013年版には、それまでパリ中心だった催しがフランス全土へ広がったという記録が残っています。日本の大衆文化があまり多くなかった地域でも開かれるようになった、という趣旨です。
同じ白書に、2012年度のフランスではマンガ関連の催しが年間58件あったという記録もあります(出典はNautiljon)。これは2012年度の数字で、現在も58件という意味ではありません。
ボルドーのアニマジアは、その「広がった先」の代表格です。パリの催しに出るかどうかで悩む前に、フランスには南西部にも入口がある、と知っておくだけで選択肢が増えます。
6. 山陰の連続出展が教えてくれること
白書には、出展する側にとって耳の痛い記録も残っています。山陰国際観光協議会(島根県・鳥取県と各市で構成)が2012年から2013年にかけてジャパンエキスポへ連続出展した事例です。白書は、地方公共団体が1回の出展で成果が出ずにあきらめること、担当者が代わって情熱を失うことまで書いています。
出展は、前と、中と、後の3つで1つの仕事です。行く前に誰に会うかを決め、会場で覚えてもらい、帰ってから続きを渡す。この3つのうち1つでも抜けると、費用だけが残ります。1回で全部を取りにいく場所ではない、と最初に決めておくほうが結果的に続きます。
7. パリ・マルセイユ・リヨン・トゥーロンと並べると
フランスで日本文化の催しに出ようとするとき、選択肢は1つではありません。時期で並べると、こうなります。
- 2月から3月・マルセイユ ジャパンエキスポ・シュッド
- 4月・トゥーロン マング・アジュール
- 7月・パリ北郊ヴィルパント ジャパンエキスポ。規模が最大で、出展区分と料金が公開されている
- 10月・ボルドー アニマジア。南西部の入口
- 11月・リヨン ジャパンタッチ
弊社自身は、フランス・JAPAN EXPO等に11回出展してきました。11回のあいだに分かったことを、ひとつだけ申し上げます。初回で成果が出た年はありません。同じ場所に、続けていることが伝わったときに、相手のほうから声がかかりました。
ボルドーのような規模の催しは、その「続けている」を始めるのに向いています。
よくあるご質問
Q1. 出展料はいくらですか。
公開されていません。公式の出展者ページに料金の記載はなく、フォームを送って初めて商業条件が示される形です。相場を推測して書くことは、この記事ではしません。
Q2. 日本の会社でも出られますか。
出展対象に企業・団体が含まれています。ただし2026年の回は、若手クリエイターとプロクリエイターの区分の事前登録が終了と掲示されています。まずcontact@animasia.orgへ問い合わせて、残っている区分と条件を確かめる形になります。
Q3. 来場者は何人ですか。
2025年の第21回で、2日間およそ3万人と地元メディアが伝えています。主催者側の数字であって、第三者が数えた公的な統計ではありません。資料に載せるときは、その但し書きを付けてください。
Q4. パリのジャパンエキスポとどちらがいいですか。
目的によります。規模と話題性ならパリです。ただしパリは出展者が800社を超え、埋もれる危険も大きくなります。まず現地の反応を自分の目で確かめたい、少人数で行きたい、という段階なら、ボルドーのような規模のほうが1人あたりの会話数は増えます。
Q5. フランス語が話せません。
弊社が11回出展して分かったのは、最初に足を止めるのは言葉ではなく絵だ、ということです。絵で立ち止まってもらってから、簡単な言葉で足りる状態にしておく。順番はこちらです。
最後に、ひとつだけうかがわせてください。
御社がボルドーの会場に立ったとして、フランス語を話さないまま、いちばん最初に相手へ差し出すものは何でしょうか。
言葉より先に伝わるものが1つあれば、そこから会話が始まります。いま海外向けにお使いの資料を1点、ご相談のときにお持ちください。
海外向けマンガの実際の取り組みをご覧いただけます。国際マンガの事例を見る
規模で選ばずに、続けられる場所で選ぶ。それが11回で分かったことです。
参考ブログ
参考実績
シェアいただけたら嬉しいです🌹


